意匠設計職として活躍できる場所!必要な資格やスキル、年収についても解説
建設・不動産 転職成功ノウハウ
2024.11.14
意匠設計職で活躍したい方の中には、必要な資格やスキル、年収などがわからず不安な方もいるでしょう。目指したい職があれば、まずは就職に必要なものや、収入の想定が欠かせません。意匠設計職の資格やスキル、年収がわかれば、自分に向いているか判断できるでしょう。
今回は、意匠設計職として活躍できる場所を解説します。意匠設計を目指している方や、関連する経験やスキルを活かしたい方は、参考にしてください。
意匠設計が活躍する場
意匠設計で活躍できる場所は主に3つで、アトリエ系や組織系の設計事務所、ゼネコンです。実際に就職したい方は、以上の3つから自分は何がやりたいのかを明確にしておきましょう。3つの職場の各特徴について、詳しく解説します。
アトリエ系設計事務所
アトリエ系設計事務所は、主に建築家が率いています。多くの場合は5~10人のように、社員数があまり多くありません。以上から小規模運営で、外部から設計依頼を引き受ける形が通例です。設計事務所によっては、個人や夫婦で営むケースも少なくありません。メディアで有名な建築家も、アトリエ系設計事務所に所属することが多いといえます。
アトリエ系設計事務所が手がけるのは、主に住宅や小規模施設などです。デザインの自由度が高く、創意工夫を活かせる職場です。一方で、主宰者の作家性が強く反映されるケースもあるため、自分と方向性が合うか慎重に確かめましょう。
実際にアトリエ系設計事務所への就職・転職においても、過去のポートフォリオ提出を求められるケースがほとんどです。設計や建築の知識、デザインセンスをアピールできれば採用の可能性が高まるでしょう。設計デザインにおいて、クリエイティブな能力を発揮しやすいのが、アトリエ系設計事務所の特徴です。就職するには十分な知識や、事務所の方向性に合うセンスのアピールが欠かせません。
アトリエ系設計事務所での設計業務では、資格の有無は問われないことが多いですが、設計やデザインに対するノウハウが大事です。必要な能力をアピールできるように、入念に準備してください。
組織設計事務所
組織設計事務所は、設計専門業務をする事務所のひとつです。小規模なアトリエ系設計事務所と違い、100~1000人規模で業務を手がけます。商業施設や公共施設の設計を主に引き受け、住宅のデザインの事例は少数です。一方で、時代の象徴になるような建築物を手がけることもあるでしょう。
多くの組織設計事務所は、主要都市に支店を構えています。意匠だけでなく構造、設備など幅広い分野の設計を引き受け、施工監理まで担うケースもあるでしょう。アトリエ系では単独での業務進行も見られますが、組織設計事務所はチーム単位で業務を進めます。
組織設計事務所でも、面接試験でポートフォリオの提出を要求されます。またポートフォリオに関するプレゼンも想定されるので、自分のスキルをわかりやすく伝える練習が欠かせません。また、一部の事務所は設計課題も課すので、設計デザインに関する一定のスキルが必要になるでしょう。
組織設計事務所は、小規模事務所から転職する例が見られます。そのような人は、建築やデザインを突き詰めたり、スキルアップしたいという思いがあるからです。大規模な事務所で意匠設計の才能を発揮したいと思ったら、組織設計事務所への就職準備を始めるとよいでしょう。
ゼネコン
ゼネコンとは総合建設業者という意味で、「ゼネラルコンストラクター」の略です。施工や研究だけでなく、設計も引き受けるため、意匠設計職がゼネコン関係の企業で活躍することもあります。
業界大手の企業は、数千億や数兆円の売り上げを記録することもあるので、ゼネコンでの意匠設計は社会的使命を強く感じられるでしょう。ゼネコンの意匠設計ではマンションや大型のオフィスビル、商業施設、公共施設などを扱います。社会で重要な建築物を手がけるため、やりがいが大きいのです。
設計部は、建築物の着工後も施工者とのコミュニケーションが欠かせません。安全に建築物を使えるように、細かい意思疎通が大事です。一方で、多くの人が協力しあうため、竣工時の達成感は大きいでしょう。
意匠設計職としてゼネコンへ転職する場合、ハードルが高いといえます。設計職として求められる能力が、ほかの設計事務所より高いからです。加えてライバルも多いため、就職や転職の難易度が高い傾向があるでしょう。意匠設計職としてゼネコンを目指すなら、豊富なスキルや実務経験などの建築に関する強みのアピールが大切です。
以上から企業や設計事務所により、携わるプロジェクトが異なります。設計事務所によっては住宅がメインのところもあれば、大規模なものを手がける企業もあるのです。自身が意匠設計職としてデザインしたいものを、明確にしなければなりません。意匠設計職としての就職や転職で失敗しないために、まずは自分のやりたいことをはっきりさせましょう。その次に、やりたい仕事に対して必要な経験やスキルを分析してください。
以上の条件が十分に満たせていれば、就職や転職を目指しましょう。足りないと思ったら、条件を満たせるように資格取得や経験を重ねてみましょう。
自身だけで情報収集が難しいと思ったときは、転職エージェントの活用もおすすめです。スキルや経歴に応じて、エージェントが適切な就職先を提案します。以上を参考にしながら、意匠設計職として活躍できる職場を見つけましょう。
意匠設計の年収
意匠設計職としての企業への就職では、年収500万円前後のケースが多いでしょう。ただし就職先によって年収が大きく異なるので、あくまでも目安として見てください。ここでは、年代や経験に応じた年収の目安を見ていきましょう。
他の職業に比べ、やや高い
意匠設計職の年収はほかの職業に比べ、やや高い傾向があります。求人サイトや転職サイトの情報をもとに、想定年収を年代別に見ていきましょう。
- ・20代:300万円~400万円
- ・30代:400万円~600万円
- ・40代:500万円~800万円
ただし就職先やキャリアによって幅があるため、あくまでも目安としてください。それでも意匠設計職の年収は、一般的な仕事より高いことが多いでしょう。
厚生労働省発表の一般労働者の平均賃金は、2022年で月収31万1800円、年換算では374万1600円という結果からも分かります。
参照)厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2022/dl/01.pdf
以上を踏まえると、30代以降の意匠設計職の年収は日本全体の平均を上回りやすく、20代でもキャリア次第では400万円に近づけるかもしれません。
経験や勤続年数による月給・年収
意匠設計職でも、一般的に同じ職種の経験や勤続年数が長いほど、高収入の傾向があります。経験や勤続年数に応じた年収の違いを見ていきましょう。
- 【経験】
- ・未経験者:月給23万8000円~40万7000円(年換算285万6000円~488万4000円)
- ・経験者 :月給27万9000円~46万7000円(年換算334万8000円~560万4000円)
- 【勤続年数】
- ・勤続5年 :平均年収492万6300円
- ・勤続10年 :平均年収720万円
このように年代だけでなく、設計デザインの経験や勤続年数により年収が変わります。以上から収入を上げるためには、同じ企業で経験を長く積む形がおすすめです。
一方、経験の割に収入が上がらないと感じる方もいるでしょう。その場合は意匠設計職としての転職や別業種へのチャレンジも選択肢の一つと言えます。資格取得や転職エージェントへの相談など、自身でできることからやってみましょう。
保有資格による年収の違い
意匠設計の仕事を始めるにあたって、特定の資格は必要ありません。ただし関連する資格を得ることで、収入が増える場合もあります。たとえば「施工管理技術士」は国家資格であり、企業によっては資格手当を別途支給するでしょう。各種1級施工管理技士を取得している人の手当を厚くしている企業もあります。
一方資格がない場合、実務経験が欠かせません。施工管理として現場経験を積みつつ、業務に関する勉強を重ねてください。十分な知識を得られたら、資格試験にチャレンジするとよいでしょう。
まとめ
意匠設計職は勤務先によって業務内容が異なります。住宅を主に手がける企業もあれば、商業施設がメインの企業もあるからです。ゼネコンのように橋や道路のようなインフラ関連の建築物を手がけるケースも見られます。
自身のやりたいことを明確化したうえで、経歴やスキルを整理してください。経歴や希望に見合う就職先を探すことで、自身と職場とのミスマッチを防げるでしょう。
意匠設計職の年収は、日本全体の平均を上回る可能性があります。一方で、想定より収入が上がらない方もいるでしょう。収入が少ないことに関しては、企業による要因も可能性としてゼロではありません。そのような場合は、転職やジョブチェンジも選択肢の一つになります。
自身での判断が難しかったり、転職市場が気になったりするのであれば、転職エージェントに相談してみましょう。希望する業界のリアルな状況を踏まえ、最適なアドバイスを得られるでしょう。