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構造設計者が働く職場と企業の人事担当者のホンネ

建設・不動産 転職成功ノウハウ

2024.07.19

構造設計者が働く職場と企業の人事担当者のホンネ

構造設計の仕事をするにあたって、必須の資格はありません。つまり、理論上はだれでも構造設計の仕事に就けるチャンスがあります。それでは、企業の人事担当者が構造設計者を採用するにあたって、どのようなことを考えているのでしょうか。

今回は、人事担当者の構造設計者の採用活動に関する本音について見ていきましょう。これから構造設計者としてキャリアアップしたり、転職を考えていたりする人にとっても参考になる情報ですので、ぜひ最後までご覧ください。

建築物の安全性能を満たすことが求められる

構造設計の仕事に求められることとして、建物の安全性が担保されていることは無視できません。自然災害などによって容易に建物が壊れないように、耐震基準などを満たした構造設計図を作成できるような能力が求められます。

安全性を担保するためには、多岐にわたる項目について考慮する必要があります。耐震診断のほかにも補強設計や設計管理など手広く担当する重要な役割を担っているのが、構造設計の業務です。

日本はとくに地震や台風など、自然災害が全国どこでも起こる危険性があります。多少の災害でも建物が壊れないように設計することは、広く求められる能力でしょう。

新耐震基準や耐震改修促進法による影響

構造設計の仕事はこれまで、建築物を構造的に見て安全性が担保されているかチェックするのが主な業務でした。しかし、現在では構造設計者の果たす役割は大きく変わってきています。

その背景には、法改正があります。建築基準法の耐震基準が新しくなったり、耐震改修促進法の施行だったり、関連法規がより厳しくなりました。その結果、建築物が使われている間は地震が発生しても損傷しないだけの強度が求められるようになりました。

その結果、意匠設計との間の線引きがあいまいになってきています。意匠と安全性はこれまで別々という見方がされてきました。しかし法改正によって、両者を両立させる必要性が出てきているのです。

意匠設計と兼務する、意匠設計者と別々であっても密にコミュニケーションをとって、情報を共有することが求められます。

安全性にこだわりすぎるとデザインに影響が出ることもありますし、デザインを重視しすぎると施工性に問題が起こるでしょう。この両方の要素をどうバランスをとるかが、今後の構造設計者の課題です。

構造設計者の働く場所とは

構造設計者として今後キャリアスタートさせたいと思っている人にとって気になるのは、どのようなタイプの職場で勤務できるかでしょう。構造設計者としての主な活躍の場を紹介します。

  • ・設計事務所
  • ・ゼネコン

このうちのいずれかに就職する人が多いでしょう。構造設計者として転職するにあたって、どの職場を選択するかをまずは決めましょう。職場によって、働き方の特徴に若干違いがあるからです。以下では、職場別の働き方の特徴について紹介するので、参考にしてください。

設計事務所

構造設計者の転職先の候補の一つが、設計事務所です。建設工事の中でも設計部分に特化して運営されている事務所・法人です。

構造設計者の資格として、構造設計一級建築士があります。構造設計一級建築士になるためには、その前提条件として一級建築士の資格を保有していなければなりません。

設計事務所には「管理建築士」といって、建築士資格を有する人を常駐させないといけません。よって、構造設計者で一級建築士の資格を持っている人への需要が高いでしょう。

とくに、設計の仕事に集中して専念したいと思っているのであれば、設計事務所はおすすめでしょう。設計事務所は、ゼネコンや建設会社から依頼を受けて、設計図の作成に携わるのが主な仕事だからです。

設計事務所には、意匠設計や設備設計などほかの設計者も所属しています。設計に関するスペシャリストがそろっているので、やりがいを持って仕事に当たることができるでしょう。また設計事務所で仕事をするにあたってのノウハウを積んで、いずれ独立したいと考えている人も設計事務所への就職はおすすめです。

ゼネコン

ゼネコンも、構造設計者の就職先の候補になります。ゼネコンとは総合建設会社のことで、設計から施工、メンテナンスなどを一貫して担当する法人を指します。

いろいろな課程を担当するので、組織の中にさまざまな部署が存在しています。構造設計の仕事に携わるのであれば、建築設計の部署に配属されることになるでしょう。

ゼネコンの働き方の特徴として、組織によっては構造設計以外の仕事を担当する可能性もある点に留意してください。必要に応じて意匠設計や設備設計の仕事も任される場合もあるでしょう。もし構造設計だけでなく、設計全般のキャリアを積んでいきたいのであればゼネコンへの転職はおすすめです。

構造設計の仕事をしたければ、ゼネコンの中でも建築部門に力を入れている企業を探したほうがいいでしょう。ゼネコンと一口にいっても、企業によって力を入れている部門が少しずつ変わってきます。転職活動する際には、その点にも留意してください。

また、ゼネコンは施工管理が業務の中でも中核の部門です。もし構造設計だけでなく、施工管理の資格も保有しているのであれば、「スーパーゼネコン」と呼ばれる完成工事高が上位5位の法人への転職の可能性も十分ありえるでしょう。

このように構造設計者の転職先には、いくつか選択肢があります。そこで何をしたいのか、どこに転職すれば自分の知識やスキルを活かせるのかを検討しましょう。

ただし、各求人を一つずつ確認すると手間暇もかかります。転職エージェントに登録すれば、キャリアコンサルタントがあなた向けの求人を紹介してくれるので、おすすめです。

人事担当者のホンネ

構造設計の求人情報を見てみると、意外と幅広い層に募集をかけているものも少なくありません。「未経験者可」や「資格なしでもOK」、「学歴不問」というワードも目にしたことがあるでしょう。

しかし、経験も資格もなく、建築関係の学歴もなしでも本当に転職できるのでしょうか。ここでは、構造設計者の募集をかけている企業の人事担当者の本音について見ていきます。

できれば指定学科卒だと嬉しい

未経験者でも応募できる案件を見ると、長期的キャリア形成を目的にしているものが多いでしょう。

このような募集をかけると一定数の応募はありますが、人事担当者の本音は「できれば指定学科を卒業している人の方が好ましい」です。建築関係の学科を卒業していれば、建築の基本的な知識は身についているからです。基礎知識は省略して教えられますし、成長スピードも速いと言われています。

指定学科を卒業していれば、あまり時間をかけずに関連する資格を取得できるのも、採用する側としてみればありがたいです。それは、より早く即戦力として活躍できるからです。

実務経験が少しでもあると良い

構造設計の募集を出して、どんな人でも応募があればうれしいのは確かです。しかし、業界経験も実務経験もないと、やはり採用における優先順位は下がってしまいます。構造設計でなくても、CADによる設計図の作成や設計補助など、周囲で実務経験を有している人のほうが、印象は良いでしょう。

資格はあれば尚可

構造設計一級建築士や一級建築士などの資格を有していると、採用される可能性は上がります。やはり、専門知識を有している人材がいれば採用したいというのが、人事担当者の偽らざる本音だからです。

まとめ

構造設計の就職先として、主に3つの職場があります。しかし、それぞれの特徴や任せられる役割も違ってきます。後悔なく就職するためには、自分が何をしたいのかを明確にしておきましょう。

中には、未経験者可の求人も少なからずあるでしょう。しかし、ここで見てきたように人事担当者の本音は資格を持っている人、実務経験のある人、建築関係の学歴を有する人を優先する傾向があります。資格も実務も学歴もないと、そう簡単に構造設計の仕事は見つからないと思ったほうがいいでしょう。

現在、仕事をしていて転職活動する時間が制約されるのであれば、転職エージェントの活用も検討しましょう。現実的な転職先を相談してもらえるので、登録しておくといいでしょう。

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