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構造設計の転職とは?年収アップと転職を成功させるコツを解説

建設・不動産 転職成功ノウハウ

2024.11.14

「構造設計の転職先はどこがいい?」「構造設計の転職を成功させるコツはあるの?」などとお悩みではありませんか。

今回は、構造設計者として転職する上で、知っておくべき転職先や転職を成功させるコツについて解説します。

構造設計の転職先候補

マンションと玄関

まず、構造設計の転職先候補についてみていきましょう。建築業界は、ゼネコンのような「大型物件を扱う業界」とハウスメーカーのような「住宅を扱う業界」に大きく分かれています。

構造設計の配置については、以下の表をご参照ください。

意匠設計構造設計設備設計現場監理
大型物件ゼネコン
総合設計事務所
設計事務所(意匠)
設計事務所(構造)
設計事務所(設備)
住宅ハウスメーカー
ローコストビルダー
工務店
設計事務所(意匠)
設計事務所(構造)

〇:在籍
△:〇の業種と兼任の場合あり

引用:Youtube【実態解明】知っているようで知らない「建築士の世界」を徹底解説

様々な建築物の構造設計を行いたい場合は、大手のゼネコンや総合設計事務所・構造設計事務所に絞って転職先を探すのがおすすめです。

資格と給与面について

給与面は、建築士資格の有無や実務経験年数によって変動します。大手のゼネコンや設計事務所では、勤続年数に応じた昇給・資格取得による基本給アップ・資格手当支給といった仕組みがあるところが多いようです。構造設計者としてステップアップするには、一級建築士の上位資格である「構造設計一級建築士」の取得も検討してみましょう。

さらに「構造設計一級建築士」の中でも、特に優れていることを認める民間資格である「JSCA建築構造士」も取得しておくと、転職に有利に働くでしょう。これらの希少資格を取得することで、大手のゼネコンや構造設計事務所など大規模な建造物を扱う企業では重宝される可能性が高まります。大規模な建造物の構造設計は、「構造設計一級建築士」にしか担えないためです。

構造設計の転職を成功させるコツ

構造設計の転職活動として、いざ応募した企業の面接にすすめることになった際、成功させるコツを解説します。

  • ・志望理由や転職の動機を明確にしておく
  • ・人柄やコミュニケーション能力をアピールする

1つずつ詳しくみていきましょう。

志望理由や転職の動機を明確にしておく

構造設計の求人の特徴として、有資格者や実務経験者であることを必須条件とする流れがみられています。やる気のある未経験者歓迎という求人であっても学科卒が応募条件の事が多いため、注意は必要ですが、「実務未経験でも建築設計の仕事に携わりたい!」といった強い気持ちがある方は、思い切って応募してみましょう。

また、昨今の自然災害の頻発により、耐震性能の高い建物には注目が集まっています。今後、構造設計の仕事の需要は高まっていくことでしょう。そんなやりがいのある構造設計の仕事を「選んだ企業でやりたい理由」や「転職の動機」をしっかり事前調査して明確にし、緊張してもしっかり話せるよう準備しておきましょう。

面接対策やキャリアプランに不安がある人は、転職エージェントに相談して対策を万全にすることをおすすめします。

人柄やコミュニケーション能力をアピールする

企業側は面接を通して、応募者の人柄やコミュニケーション能力をチェックしています。構造設計の仕事は、意匠設計や設備設計の担当者と、何回も打ち合わせをしながら進めていく必要があります。

技術面だけでなくコミュニケーション能力の高さが求められる職種でもあるため、自身の持っている力を十分発揮できるよう、しっかり練習してのぞみましょう。

構造設計の転職に役立つ資格

事務所で図面をチェック

構造設計者として転職する際に、取得しておくと特に役立つ資格は以下の3つです。

  • ・一級建築士(大手や中堅企業ではほぼ求められる資格)
  • ・構造設計一級建築士
  • ・JSCA建築構造士

上記3つの資格について、受験資格・難易度・メリットを表にまとめてみました。

資格受験資格難易度メリット
一級建築士・大学・短期大学・高等専門学校等において、
 指定学科を修めて卒業した者
・二級建築士
・建築設備士
・その他国土交通大臣が特に認める者
(外国大学を卒業した者等)
合格率12%前後・基本給アップ
・転職に有利
・資格手当あり
構造設計一級建築士・一級建築士資格を取得してから5年の構造設計の実務経験
・国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関が行う講習の課程を修了すること
合格率30%前後・希少資格なため重宝される可能性がある
・基本給アップ
・転職に有利
・資格手当あり
JSCA建築構造士以下の3つの要件のいずれかにも該当していること
・構造設計一級建築士を取得していること
・2年以上の責任ある立場での構造設計業務の実務経験があること
・構造監理業務の実務経験があること
合格率35%前後・希少資格なため徴用される可能性がある
・一目置かれる
・転職に有利

参照:公益財団法人 建築技術教育普及センター「受験資格」
   公益財団法人 建築技術教育普及センター「構造設計一級建築士制度について」
   建築構造士資格認定試験実施要項

それでは1つずつ簡単に解説します。

一級建築士

国土交通大臣の認可を受けた国家資格であり、資格を取得するとあらゆる建造物を建築できます。また、全ての規模の建築物の設計と監理を担当することができるようになります。

一級建築士の国家試験は、大学・短大・高等専門学校いずれかの建築学科を卒業している場合、実務経験なしで受けることができます。ただし、一級建築士の免許登録には、試験合格と2年以上の実務経験が必要となるため、資格取得は計画的にすすめましょう。また学歴がなくても、設計事務所や建築会社などで7年以上の実務経験があれば二級建築士の受験資格が得られます。

二級建築士を取得することで、上位資格である一級建築士の受験資格を得られるため、二級をとってから一級を受ける人が多いようです。このことから、建築設計が未経験の人が二級もしくは一級建築士の資格を取得することは、時間がかかるものの不可能ではないでしょう。

最近では、30代後半や40代前半で大手やゼネコンへのキャリアアップ転職をするにあたり、一級建築士は必須ともいえる重要な資格となっています。逆に持っていない場合は、転職時の優位性は低いことも認識しておきましょう。

構造設計一級建築士

2008年に創設された「構造設計一級建築士」は、一級建築士の上位資格です。「構造設計一級建築士」を取得すると、一定規模以上の高度な構造設計が求められる建物の設計を担当することができます。

「構造設計一級建築士」になるには、一級建築士として5年以上の構造設計の実務経験を積み、国土交通大臣の登録機関で講習を受講し、さらに修了考査に合格しなければなりません。国内において、一級建築士で「構造設計一級建築士」の資格を持っている人は少なく、業界の需要は高まりつつあります。

転職においても好待遇が期待できる資格です。

JSCA建築構造士

JSCA(一般社団法人日本建築構造技術者協会)が社会に推薦しうる構造設計者の呼称です。構造設計一級建築士の中でも特に豊富な専門知識と経験を持つ技術者として、構造設計・工事監理までを担当します。

受験資格の1つに「構造設計一級建築士を取得していること」が含まれています。その難易度の高さから、JSCA建築構造士を取得することで一目置かれることは間違いないでしょう。

構造設計の転職についてまとめ

今回は、構造設計の転職を成功させるコツについて解説しました。構造設計者として転職を考えた時、どのような建造物の構造設計に携わりたいのかを再確認し、取得資格や実務経験の活かせる企業を探すのがおすすめです。また、役立つ資格としては、「一級建築士」「構造設計一級建築士」「JSCA建築構造士」が挙げられます。特に一級建築士はキャリアアップや年収アップのためには必須の資格ともなってきているため、資格取得をおすすめします。

構造設計の転職を検討中の方は、転職によりどのような変化を望むのかを整理するところから始めてみましょう。さらに、転職エージェントを活用すると、自分の希望とマッチする企業が見つけやすくなるので利用を検討しましょう。

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