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機械設備設計に資格は必要?おすすめの資格も詳しく解説

建設・不動産 転職豆知識

2024.04.17

機械設備設計に資格は必要?

建築には様々な職種が関わっていますが、その1つに「機械設備設計士」が挙げられます。一般的にあまり馴染みがない名称かもしれませんが、機械設備設計は生活に密接な関わりを持つ仕事です。本稿では機械設備設計の概要、おすすめの資格や未経験からのなり方などを紹介します。

機械設備設計の仕事内容について

屋上に設置される複数の室外機

まずは機械設備設計への理解を深める第一歩として、具体的な仕事内容について見ておきましょう。

機械設備設計の役割

建築物は人が住んだり仕事をしたりするなど、生活の基盤となる重要な場所です。したがって建築業では快適性や安全性に細心の注意を払います。建築工事の前段階では設計業務が行われますが、一般的に設計業務は「意匠設計」「構造設計」「設備設計」の3つの業務に大別されるので覚えておきましょう。

そのうちの「意匠設計」は、建築物の外観や間取りの「デザイン」を担当する職種で、設計業務全体の監督管理を任されることもあるかもしれません。また、「構造設計」は建築物を支えるための柱や土台など「強度」に関する設計を行う職種です。

「設備設計」では、建築物の配管・電気・インターネットなど、いわゆる「インフラ」を整えるための設計業務を担当します。この中でも特に「空調設備」と「衛生設備」の2つに特化した設計士が「機械設備設計士」です。「空調設備」は建物内の温度を快適に保つための冷暖房や、新鮮な空気を取り入れたり汚れた空気を排出したりする換気機能などを指します。

また、「衛生設備」は生活や業務に使用する水・お湯を供給するための給水設備、使った水や雨水を外へ逃がすための「排水設備」、お湯を沸かすためのガスなどを管理する「給湯設備」などを指します。なお、緊急時に使用する「消火設備」もここに含まれることも留意しましょう。

このように、機械設備設計は私たちが快適に暮らすためのインフラを整える重要な役割を担っている仕事と言えるでしょう。

具体的な仕事内容

機械設備設計士の仕事は、まず、クライアントが何を望んでいるのかを把握するところから始まります。クライアントや設備メーカーとの打ち合わせを行い、意匠設計担当者が作成した図面をもとにしながら、機械設備設計士の立場から提案を行うのが一般的です。

また、機械設備の必要性能や使い方は、建築物の規模によって大きく異なります。必要であれば現地調査なども行い、的確な設備キャパシティを把握しましょう。特に空調設備の設計は設備の性能だけでなく、効率的な空気の流れを作り出すことが重要です。また、建築物に設置される機械設備の耐用年数は建物本体ほど長くはありません。したがって、定期的にメンテナンスしやすいような配置を考慮することも求められます。

機械設備設計士として働くには資格が必要なのか

危険物の取り扱いや専門性の高い仕事など、職種によっては特定の資格を保有していることが就労条件となっている場合があります。結論から言えば、機械設備設計の仕事に必須となる資格はありません。募集条件を満たしていれば、関連資格を取得していなくても応募することは可能です。

ただし、前述の通り機械設備設計の仕事は人々の生活に密接な関わりがあります。建築物の安全性にも寄与する部分があるため、一般的には有資格者を優遇する求人が多い傾向があります。さらに、建築物の規模によっては、特定の資格が必須となる場合もあるでしょう。

任せてもらえる業務の幅やキャリア形成にも影響する可能性が高いので、機械設備設計の関連資格は「事実上必要である」という認識を持っておくと良いでしょう。ただし、資格の取得は就職・活動前に限らず、仕事をこなしながらでも問題ないでしょう。

機械設備設計士を目指す際におすすめな資格

機械設備設計士として働く際におすすめな資格としては、主に以下のようなものが挙げられます。似通った名前が多いですが、資格の内容をしっかり把握して違いを理解しましょう。

設備設計一級建築士

機械設備設計の関連資格として広く知られているのが、公益財団法人建築技術教育普及センターが運営する「設備設計一級建築士」です。同資格は、国土交通大臣が認定する国家資格となっており、取得すれば設備設計におけるスペシャリストであることを示すことができるでしょう。

2006年12月に建築士法が改正されたことにより、「3階以上かつ床面積の合計が5000平方メートル以上の建築物」における設計業務には、設備設計一級建築士が必要になりました。なお、同資格の受験にはまず「一級建築士」の資格を取得する必要があります。そのうえで設備設計の実務経験が5年以上必要なため、仕事に従事しながら取得を目指す資格となるでしょう。

設備士資格検定

「設備士資格検定」は、空調設備および衛生設備に関する知識の習熟度を証明するための資格で、公益社団法人空気調和・衛生工学会が運営しています。受験資格は卒業した高校や大学によっても異なるので、詳細は公式ホームページなどで確認してみてください。同資格を取得すれば、設備設計の観点から建築士へのアドバイス・提案を行えるようになります。

建築士

公益社団法人建築技術教育普及センターが主管する「建築士資格」は、設備設計に留まらず、建築業務に関わる幅広い知識を証明する国家資格です。担当できる延べ面積や高さに応じて「一級建築士」「二級建築士」「木造建築士」の3種類に分かれています。

先に述べたように「設備設計一級建築士」には一級建築士の資格が必要になるので、本格的なキャリアアップを目指す際には選択肢に入れておきましょう。なお、建築士は一級で合格率10%前後、2級でも25%前後という難関資格です。ハードルは高いですが、取得すればキャリアの幅がグッと広がるでしょう。

建築設備士

「建築設備士」もまた、公益社団法人建築技術教育普及センターが主管する国家資格であり、建築設備全般に関する知識や技能をアピールすることができます。高度かつ複雑な建築設備の設計・工事監理において、責任者である建築士へ助言を行えるようになる資格です。

設備設計士として仕事の幅が広がることはもちろん、建築士へのステップアップにも有用と言えるでしょう。学歴や保有資格によって受験に必要な実務年数が異なり、合格率は18%前後で推移している比較的難関の資格です。

技術士

「技術士」は文部科学省が認定している国家資格で、公益社団法人日本技術士会が主管となっています。科学技術の高い応用力を保有していることを示す資格であり、専門性に応じて21の分野に細分化しているので注意しましょう。資格を保有していることをアピールする場合は、原則として「技術士○○部門」といったように記載します。基本的に設備設計に関わる分野とされているのは「建設部門」です。

取得すると公共事業の事前調査や設計監理、技術指導や評価などを行えるようになります。将来的にコンサルティング業に就きたいと考えている人にもおすすめです。一次試験に受験資格は設けられていませんが、二次試験には実務経験が求められるので注意してください。合格率は11%前後で、科学技術分野における難関資格とされています。

未経験から機械設備設計を目指すためのプロセス

未経験から機械設備設計の仕事を探す場合にはいくつかのアプローチがありますが、効率的なのは求人サイトを利用する方法です。求人サイトには人材を募集している企業の情報が豊富に出回っており、自分が希望する条件で絞り込むことができます。業界特化型の求人サイトも多数展開されているので、積極的に活用してみましょう。業界特化型では総合系求人サイトには掲載されていない求人情報も多い傾向があります。未経験で応募する場合は、求人情報の詳細欄に「未経験可」「未経験歓迎」といった記載があるか確認してみると良いでしょう。

他の業界の就活と同様に、求人への応募はサイトから直接行える場合が多く、応募先企業からの折り返し連絡を待って面接の日取りを決めるのが一般的です。履歴書や職務経歴書など、必要な書類を予め準備して面接会場で採用試験を受けましょう。

また、機械設備設計は専門的な知識が要求される仕事なので、業界未経験でも資格の勉強中であれば、仕事への展望も含めてそれらをアピールすることで採用担当官の心象が良くなる傾向があるでしょう。面接対策には、今までの経験やスキルを棚卸しして、受けたい企業にマッチするように自分の中で噛み砕いて説明できるように準備しておくことも大切です。

もし面接でのアピールや選考の準備に不安がある人は、求人サイトのほかに転職エージェントを利用すると良いでしょう。業界専門のエージェントに相談すると、面接対策をしてくれるだけでなく、自分にマッチするような求人情報を得られるのでおすすめです。

機械設備設計者になるには資格取得と並行して仕事を探そう

商業施設や公共機関の建築に携わることの多い機械設備設計は、専門性が高く、人々の生活を支えるやりがいも感じられます。無資格・未経験でも業務に従事することは可能ですが、資格の取得を目指して早い段階から学習を進めておくことがおすすめです。

関連資格は難関なものも多いですが、コツコツ知識を蓄えて合格を目指しましょう。学習中の資格は面接時のアピール材料としても有用です。面接対策もしたい場合は、転職エージェントへの相談も検討してみましょう。

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