不動産仕入れとは?年収やメリットを紹介
建設・不動産 転職豆知識
2024.11.14
高収入が見込める仕事は様々ありますが、特に注目されている仕事のうちの一つに「不動産仕入れ」があります。ここでは、未経験の人でも不動産仕入れの仕事に就けるかどうかに加え、年収の見込みを説明します。さらに、不動産仕入れの仕事に就くメリットも紹介します。
不動産仕入れとは
「不動産仕入れ」とは、文字通り土地や建物などの不動産を自社で買い取る仕事です。顧客に販売する不動産物件に加え、自社で不動産開発を行う建設予定地などを仕入れるのが主な仕事になります。
ただし、不動産仕入れは簡単な仕事ではありません。どの商売にも言えることですが、販売予定の商品は安く買って高く売ることが基本です。いくら資産価値のある土地であっても、あまりに高い金額で購入してしまうと利益に結び付かないことがあるため、コスト感を持って慎重かつ大胆に行動することが重要といえます。なお、不動産仕入れにおいての営業先は、個人の顧客よりも、地主や不動産会社の担当者になるケースが多いでしょう。
不動産仕入れの仕事内容
一口に「不動産仕入れ」と言っても、業務の範囲は考える以上に広いといえるでしょう。この章では、不動産仕入れの仕事内容を戸建て分譲用地を例にとり、流れを追いながら説明します。
土地情報の入手
不動産仕入れは、土地情報を入手するところから始まります。情報の主な入手先は、不動産販売会社や街の不動産屋などの仲介業者です。不動産関連の営業といえば土地所有者と直接交渉するイメージが強いですが、そのようなケースはほとんどないでしょう。
入手した情報の調査
入手した不動産情報の調査は、「現地調査」と「役所調査」に分かれます。実際に土地を見に行き、状況を確認するのが現地調査になります。現地調査では、土地の境界線や周囲の状況を確認し、用途にかなった土地であるかどうかを判断します。
一方、役所調査では土地や道路の種類、上下水道の有無などを調べ、調査票などに記載していきます。役所調査はネットで収集できる範囲が広がっていますが、細かい部分については役所の窓口で直接確認することが多いでしょう。
区割り案の作成
情報を精査したうえで広めの土地を入手し、そこに複数の住宅を建てる場合は区割り案を作成します。区割り案の作成には、CADソフトを使うことが一般的です。
査定と交渉
区割り案を作成した後に宅地造成費用を計算し、販売価格を決定します。販売価格・造成費用・仲介業者への手数料の金額が決まると、おのずと土地購入にかけられる金額が定まります。試算した土地購入金額が、売主の希望価格よりも高くなる場合は金額交渉が必要になるでしょう。
契約
金額交渉が成立すると、売主と土地売買契約を締結します。契約には「重要事項説明書」や「売買契約書」が必要ですが、これらの書類は仲介業者が作成することが一般的です。不動産仕入れサイドが行なうことは、契約内容を確認し、加筆・修正してほしい部分を伝えるなどの中身の精査がメインです。
なお、売主側からの要望が入るケースがあるため、打ち合わせが数回に及ぶこともあります。書類作成が終わると、売主・買主の双方がこれらに署名捺印して契約完了となります。
契約後の作業
契約後は、契約書に記載された必要条件を満たすための行動が必要です。具体的には、不動産仕入れ側で開発のための測量や許認可を取得する、といったことが求められます。
購入代金の決済と登記
契約書に記載された決済条件が整った後、土地代金の支払いを行います。決済は金融機関の一室などで、売主・買主・仲介業者・司法書士などが集まって行われることが多いでしょう。
不動産仕入れの平均年収
求人の検索エンジンを展開しているIndeedの情報によると、全ての年齢・契約形態を含めた不動産仕入れの平均年収は約450万円ほどです。また、不動産仕入れの給料は、東京・大阪・福岡などの多くの不動産需要や再開発需要があるような、大都市圏が高い傾向が見られます。
なお、不動産仕入れを含む不動産営業の給与形態はインセンティブ制であるケースが多いため、成果を上げれば上げるほど年収がアップする仕組みになっています。そのため、平均年収を大きく上回り、年収1000万円を達成している人もいるでしょう。
不動産仕入れのメリット
不動産業界の営業はきつい、というイメージがある人もいるでしょう。しかし、実際は不動産仕入れとして働くメリットがたくさんあります。ここで、主な点を取り上げて考えてみましょう。
未経験でも活躍できる
学歴や経験などを問わない企業もめずらしくなく、未経験で挑戦できる募集がありますので他の業種と比べて、未経験者に対する間口が比較的広い仕事であると言えるでしょう。さらに、きちんと成果を上げることができれば、学歴・経験を問わず評価する企業が多いでしょう。
土日祝日に休みやすい
役所や金融機関とのやり取りも多い不動産仕入れは、平日に仕事をこなすことが多くなります。そのため、同じ不動産業界での住宅販売営業などとは異なり、ウィークエンドを休日とすることも可能でしょう。
実績により年収アップが期待できる
不動産仕入れの仕事は、ほとんどの会社が実力次第で給料を決める「インセンティブ制」を敷いています。収入は成果次第となるため、仕事のモチベーションを高く維持しやすい仕事であると言えるでしょう。
独立・開業が可能
不動産仕入れは、特に培ってきた人脈やコネクションが活きる仕事です。そのため、しっかりと経験を積むことができれば、独立・開業をしたとしても仕事の獲得が十分可能でしょう。
未経験から不動産仕入れになる手順
前述した通り、不動産仕入れの仕事は未経験であっても就くことが可能です。特に20代など若い世代の方は将来性を買われ、不動産業界での経験が無くても採用されるケースが少なくありません。
ここでは、仕事に就き、実績を上げていく過程を含めて「未経験から不動産仕入れになる」方法を紹介します。
ポテンシャル採用をしている不動産会社の求人に応募する
不動産仕入れとしての仕事だけでなく、不動産業界での業務経験がない人は、未経験者を歓迎している「ポテンシャル採用」の求人に応募するとよいでしょう。なお、他の業界で営業経験がある人は、まったくの未経験者よりも採用される確率が高くなるでしょう。
先輩社員に同行して仕事のノウハウを教わる
多くの会社では、入社後に先輩社員に同行するなどして土地情報の入手・調査、購入代金の査定などのやり方を習得していきます。また、マニュアルを完備していて、手順通りに行うと一定レベル以上の仕事ができるようになっている企業がほとんどです。手順をしっかりと身につけ、活躍につながるような経験を積極的に行い、スキルを習得していきましょう。
営業のターゲットとアプローチ方法を開発する
不動産仕入れの仕事は、基本的な業務ができるようになってからが本当の始まりと言っても過言ではないかもしれません。不動産業界の仕事の多くは「成果主義」で成り立っており、不動産仕入れも例外ではないからです。より成果が上がる方法を自分なりに開発していくことが、評価や収入アップに結び付きます。
実績を上げるには、ターゲットとなる営業先を定め、効果的なアプローチをしていくことが大切です。例えば、駐車場の所有者は土地活用に悩んでいるケースが多いため、有効活用の提案といった営業ができるかもしれません。空き家の所有者に対しては、片付けを手伝うといった困りごとの解決に協力すると仕入れに結び付くケースが多いでしょう。相手が受け入れやすい提案を地道に行なうことが仕入れにつながるため、日頃からコミュニケーションを大切にする姿勢がポイントになります。
不動産仕入れについてのまとめ
不動産仕入れは販売用・開発用の不動産を仕入れる仕事で、未経験者の採用も盛んにおこなわれています。成果に応じて年収が決まるため、努力や工夫がそのまま活きる点がメリットです。独立・開業も視野に入れられる仕事であり、とくに語学が堪能な方はグローバルに活躍できる可能性があるでしょう。