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建築設計とは?仕事内容や流れ・年収・必要資格を解説

建築士転職豆知識

2025.09.04

建築設計とは

 

建築設計とは、私たちの生活を支える建物の計画から完成までを導く重要な仕事です。
この仕事内容には、依頼主の要望を形にする企画・設計業務から、工事現場での監理まで多岐にわたる工程が含まれます。
本記事では、建築設計の具体的な仕事内容、プロジェクトの流れ、年収、そしてキャリアを築く上で必要な資格について詳しく解説します。

建築設計とは、安全で快適な建物を創り出す仕事

建築設計とは、安全性と快適性を兼ね備えた建物を創り出す仕事であり、依頼主の要望を具現化することが本質です。

建物のコンセプトを練り上げ、機能性や美しさを追求しながら、設計図書として具体的に表現します。

単に建物の形をデザインするだけでなく、耐震性や省エネルギー性といった技術的な側面も考慮し、建築に関する幅広い知識と創造性が求められます。

建築設計の仕事は、人々の暮らしや活動を支える空間を設計することで、社会に貢献するやりがいのある仕事と言えるでしょう。

建築設計の仕事は3つの専門分野に分かれる

建築設計の仕事は、その専門性によって主に意匠設計・構造設計・設備設計の3つの分野に分かれています。
それぞれの分野が連携し合うことで、一つの建物が完成します。
ここでは特徴や違いについて解説します。

建物のデザインや間取りを考える「意匠設計」

意匠設計とは、建物のデザインや間取り、使い勝手といった機能的な側面を考案する建築設計の分野です。

依頼主のイメージや要望をヒアリングし、それを具体的な形にするのが意匠設計士の役割です。

建物の外観や内装のデザインだけでなく、平面図や立面図、断面図などを作成し、空間の構成や動線を計画します。

意匠設計では、美的なセンスと、建築に関する幅広い知識が不可欠であり、建物の第一印象や利用者の満足度を左右する重要な仕事です。

建物の骨組みを計算し安全性を確保する「構造設計」

構造設計とは、地震や風などの外部からの力に耐えうる建物の骨組みを計算し、安全性を確保する設計の分野です。
建物が崩壊しないように、柱や梁、壁などの配置や寸法、材質などを詳細に検討し、構造計算を行います。
構造設計に問題があると、建物の安全性に直結するため、非常に専門的な知識と高い計算能力が求められます。
耐震性はもちろんのこと、積雪や地盤の状況なども考慮に入れ、建物の長期的な安全を確保するのが構造設計の重要な役割です。

電気や空調など快適な環境を整える「設備設計」

設備設計とは、建物内で快適な環境を実現するために、電気、空調、給排水、衛生などの設備を設計する分野です。
照明計画やコンセントの配置といった電気設備、室温や湿度を調整する空調設備、水の供給と排水に関わる給排水設備など、多岐にわたる設備システムを計画します。
利用者が快適に過ごせる空間を創り出す上で、設備設計は欠かせません。
省エネ性能や維持管理のしやすさも考慮しながら、最適な設備システムを構築することが求められます。

建築設計のプロジェクトはどのように進む?一連の流れを解説

建築設計のプロジェクトは、依頼主との打ち合わせから建物の引き渡しまで、いくつかの工程を経て進められます。
この流れを理解することで、建築設計の仕事の全体像を把握できます。

ステップ1:依頼主へのヒアリングと現地調査

建築設計プロジェクトの最初のステップは、依頼主へのヒアリングと、建設予定地の現地調査です。依頼主の要望や建物の用途、予算などを聞き取り、プロジェクトの方向性を明確にします。同時に、敷地の形状、周辺環境、法規制などを現地で確認し、設計に影響を与える情報を収集します。

この段階での情報収集が、その後の設計工程の基盤となり、依頼主との信頼関係を築く上でも重要です。この段階を経て、設計契約が締結されることが一般的です。

ステップ2:建物の大枠を決める基本設計

基本設計とは、依頼主とのヒアリングと現地調査で得られた情報をもとに、建物の大枠を決める設計を指します。

この段階では、建物の配置計画、平面計画、立面計画など、建築全体のイメージを具体的な図面や模型で表現します。

意匠設計者が中心となって、建物のコンセプトやデザイン、機能性を検討し、依頼主と綿密な打ち合わせを重ねながら方向性を固めていきます。

この基本設計の段階で、建物の骨格となる基本的な建築を決定します。

ステップ3:工事用の詳細な図面を作成する実施設計

実施設計とは、基本設計で決定した建物の大枠をもとに、実際に工事を行うための詳細な図面を作成する設計を指します。
この段階では、建物のあらゆる部位の寸法や仕様、使用する材料などを具体的に決定し、意匠図、構造図、設備図といった多岐にわたる図面を作成します。
CADソフトを駆使して精密な図面を作成し、各専門分野の設計者が連携しながら、工事に必要な情報を網羅していきます。
実施設計は、建物の品質や安全性を確保する上で非常に重要な工程です。

ステップ4:建築確認申請で法的な許可を取得

実施設計が完了したら、建築確認申請を行い、建物の建設に関する法的な許可を取得します。建築基準法やその他の関連法規に適合しているか、建築士が作成した図面や書類に基づいて審査が行われます。この法規チェックは非常に厳格であり、建物の安全性や避難経路、日照権など、多岐にわたる基準がクリアされているかを確認します。審査は自治体や国土交通省から指定された機関が行い、問題がなければ建築確認済証が交付され、工事着工の許可が下ります。

ステップ5:設計通りか工事現場をチェックする工事監理

建築確認申請が完了し工事が着工すると、設計者は工事監理の段階に入ります。

工事監理とは、設計図書通りに工事が進められているか、品質や安全性が確保されているかを、工事現場で定期的にチェックする実務です。

設計者は工事の進捗状況を確認し、施工業者からの質問に対応したり、設計変更が必要な場合の指示を出したりします。

設計と施工が連携し、高品質の建物を完成させるために、工事監理は欠かせない役割を担っています。

ステップ6:建物の完成と依頼主への引き渡し

工事が全て完了すると、建築設計のプロジェクトは建物の完成と依頼主への引き渡しという最終段階を迎えます。
設計者は、完成した建物が設計図書通りに仕上がっているか最終確認を行い、細部のチェックを行います。
問題がなければ、依頼主への建物の引き渡しが行われ、プロジェクトは完了となります。
このプロセスは、転職を検討している未経験者にとっても、建築設計の仕事の全体像を理解する上で非常に重要なステップです。

建築設計の気になる年収は?経験や働き方で変わる給与相場

建築設計の年収は、経験、スキル、働き方、勤務先の会社規模によって大きく異なります。
一般的に、経験が浅い新卒の場合、年収は300万円台からスタートすることが多いようです。

しかし、経験を積んで設計能力が向上したり、一級建築士などの難関資格を取得したりすることで、年収は大きく上昇する傾向にあります。
特に、大規模なプロジェクトを担当するような大手設計事務所やゼネコンでは、経験豊富な建築士の年収は700万円以上になることも珍しくありません。

また、独立して自身の設計事務所を立ち上げた場合は、個人の実績や仕事量によって年収は大きく変動します。
キャリアアップを考えて転職する場合も、これまでの経験やスキルが年収に直結するため、自身の市場価値を把握することが重要です。

一般的に、企業規模が大きくなるほど年収も高くなる傾向があるため、将来的な年収アップを目指す場合は、大手企業への転職も視野に入れると良いでしょう。

建築設計のキャリアに役立つ主な資格

建築設計の分野でキャリアを築く上で、専門的な知識やスキルを証明する資格は重要です。
特定の業務を行うためには法律で定められた資格が必須となります。

建物の設計・監理に必須の国家資格「建築士」

建築士は、建物の設計や工事監理を行う上で必須となる国家資格であり、その資格がなければ一定規模以上の建物の設計・監理はできません。

建築士には、扱える建物の規模や構造によって「一級建築士」「二級建築士」「木造建築士」の3種類があります。

特に一級建築士は、全ての建物の設計・監理が可能となるため、建築設計のキャリアにおいて最も重要な資格と言えるでしょう。

試験の難易度は非常に高く、合格には広範な知識と実務経験が求められます。

資格取得後も、定期的な登録更新が義務付けられており、常に最新の知識を習得していく必要があります。

建設分野の高度な専門知識を証明する「技術士」

技術士は、科学技術に関する高度な専門知識と応用能力、高潔な職業倫理を備えた技術者に与えられる国家資格です。
建築設計の分野では、「建設部門」や「応用理学部門」などが関連し、特に構造設計や設備設計といった専門性の高い領域でその知識と能力が役立ちます。

技術士の資格を持つことで、特定の技術分野における専門家としての能力が証明され、より広範な業務範囲で活躍できる可能性が広がります。
難易度の高い資格ですが、取得することでキャリアアップに大きく貢献するでしょう。

CADソフトの操作スキルを証明する関連資格

現代の建築設計において、CADソフトは不可欠なツールです。
CADソフトの操作スキルを証明する資格には、CAD利用技術者試験や建築CAD検定試験などがあります。
これらの資格を取得することで、実務でCADを効率的に使用できるスキルがあることを客観的に示すことができます。
特に、意匠設計や構造設計、設備設計のいずれの分野においても、CADを用いて正確な図面を作成するスキルは非常に重要です。
これらの関連資格は必須ではありませんが、就職や転職の際に自身のスキルをアピールする上で有効な手段となります。

まとめ

建築設計は、私たちの生活空間を創造し、社会に貢献する非常にやりがいのある仕事です。この仕事は、建物のコンセプトから完成までを一貫して手掛ける、多岐にわたる内容を含んでいます。

プロジェクトは、依頼主とのヒアリングから始まり、基本設計、実施設計、そして工事監理を経て建物の引き渡しへと進む流れが一般的です。

年収は経験や働き方によって異なりますが、専門性を高めることで高収入も期待できます。特に建築士は、建築設計を行う上で必須となる重要な資格であり、キャリアアップに不可欠です。

建築設計の仕事を目指す方は、ぜひこの記事を参考に、自身のキャリアプランを具体的に描いてみてください。

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