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土木設計の仕事内容とは?求められるスキルや資格を解説

建設・不動産 転職豆知識

2024.08.29

土木設計の仕事内容とは?

建設業は「土木」と「建築」に大きく分けられます。今回はインフラ等の整備に携わる土木の中の職種である「土木設計」の仕事内容について深掘りします。

また、求められるスキルや資格についても解説するので、「土木設計」の仕事に興味のある方はぜひ最後までご覧ください。

土木設計の仕事内容とは?

測量・計算

土木設計とは、橋梁・道路・ダム・トンネルといった、いわゆる「インフラ」の整備を通して、人々の生活を豊かにする仕事です。また、構造物の「設計図を描く」だけでなく、工事前の調査・工事施工過程のチェックを行い、必要に応じて近隣住民への説明を行います。

近年では、インフラの老朽化に伴う改修需要が高まっており、様々なキャリアを積める機会が増えている仕事です。

土木設計は2つに区分される

土木設計は「概略設計」と「詳細設計」に区別されます。違いについては以下の表をご参照ください。

概要
概略設計初期段階の設計。構造物の形状や架構形式・材料・工法を検討する。
この時点で、現地の状況的に工事が可能かどうかまで調査する。
詳細設計概略を元に、より具体的な検討を行う。
構造物の幅や長さなどの詳細な寸法・サイズなどを細かく決定する。
工事費の見積りや工期の設定・住民への説明会の調整など、工事の準備を進める。

土木設計の仕事は、概略設計を元に詳細設計まで完了したらいよいよ工事着工となります。工事施工中の監理およびトラブル対応も、土木設計の仕事です。

土木設計と建築設計の仕事はどう違う?

建設業は大きく「土木」と「建築」に分けられます。「土木設計」で扱うのは主に橋梁・道路・ダム・トンネルなどのインフラであり、人々の生活を基盤から支える仕事です。一方「建築設計」で扱うのはビルやマンションなどの建物であり、魅力的な空間を演出し、人々の生活を豊かにする仕事といえます。

つまり、「土木設計」と「建築設計」の違いは、建築する対象物が異なる点です。対象と特徴について表にまとめてみました。

建設業

対象

特徴

関連する国家資格

土木設計

構造物

・意匠・設備は限定的で、土木工学に基づく安全性の検討が重要

・インフラ整備は、大規模なプロジェクトになることも多く、デザイン性よりも安全性が重要視される

12級土木施工管理技士
・技術士(建設部門)
12級土木施工管理技士補

建築設計

建物

意匠設計者・構造設計者・設備設計者が協力して建物を作る

・一級建築士
・二級建築士
・木造建築士

「土木設計」に求められることは、力学の知識・材料の知識・土木工学の素養です。施工に十分配慮した設計を行うためにも、施工に関する知識や資格を取得しておくとよいでしょう。

一方、「建築設計」では、意匠設計者・構造設計者・設備設計者が協力して建物を作ります。意匠設計・構造設計・設備設計の業務にあたるには、建築士の資格を要します。

土木設計の仕事内容

測量・現場・建設用具

ここでは、土木設計の仕事内容を各プロセス毎にみていきます。

  • ・調査
  • ・設計および申請
  • ・施工時対応

それでは順番にみていきましょう。

調査

道路の計画であったら、まずは道路を造る土地の測量や地質の調査をしなければなりません。実際に計画通りに工事施工が行えるかどうか、工事車両の搬入動線・施工地盤の確認等を行います。加えて、気象条件や周辺環境だけでなく関係法令の規制などの情報収集を行い、土木設計に必要な条件(与条件)を揃えていきます。

設計および申請

「土木設計」の仕事内容の項目でも触れましたが、土木設計は「概略設計(基本設計)」「詳細設計」の2段階に分けられます。

「概略設計」とは初期段階の設計で、構造物の形状や架構形式・材料・工法を検討します。この時点で、現地の状況的に工事が可能かどうかまで調査します。土木工事は、大規模なプロジェクトでは工期が長期化することもあるため、地球環境や周辺住民に影響を与えてしまう場合もあるでしょう。そのため、建造物が完成後にどのような経過を辿るか、までの配慮が必要になります。

次に、完成した「概略設計」を元に、より具体的な検討を行いながら「機略設計」をすすめていきます。構造物の幅や長さといった詳細な寸法・サイズなどを細かく決め、工事費の見積や工期の設定を行い、必要に応じて地域住民への説明会を開きます。

そして、官公庁との諸手続きが終わると、いよいよ工事に着工です。

施工時対応

土木設計の仕事として、着工後の監理業務も重要な役割です。監理業務とは、設計図書のとおりに工事が施工されているかを確認することです。施工に間違いがあった場合は是正し、現場に指示を出します。

さらに、工事施工中にトラブル(地中障害物・トンネル掘削中の障害物・調査では判明しなかった事象)が発生するリスクに備えて対策をとり、トラブルが発生した場合には適切に対応するという役割もあるでしょう。

土木設計の仕事に求められるスキル・資格

土木設計には、一級建築士のような業務独占資格は必要ありませんが、技術士などの専門資格があるとよいとされています。土木設計の仕事に求められるスキルと資格についてみていきましょう。

土木設計の仕事に重要なスキル

土木設計に求められるスキルは以下の3つです。

  • ・土木設計の基礎知識
  • ・広い視野
  • ・調整能力

土木設計の仕事には、大学などの土木工学科で学んだ基礎知識が必要です。土木工学とは、インフラを対象として、計画・施工・維持・管理の技術を研究する学問です。

また、知識だけではなく広い視野をもち、さまざまな与条件を整理してプロジェクトをすすめる力が求められます。さらに、土木設計で扱うインフラは、周辺環境への影響が大きいため、構造物完成後の状況をイメージする力も必要です。

加えて、土木工事には従事者が多いことから、工事を滞りなくすすめていく計画性・調整能力・コミュニケーション能力が必須といえます。

土木設計に関連する国家資格

土木設計の業務にあたる上で、取得によるメリットがある国家資格は以下の3つです。

関連資格

資格詳細

土木施工管理技士
1級・2級)

・施工管理技士の国家資格

・土木工事の現場に必須な「2級主任技術者」や「1級監理技術者」になるには、この資格を取得する必要がある

・監理技術者に専任されるには1級が必要

技術士
(建設部門)

・文部科学省所轄の国家資格で、建設部門とは、技術士21分野のうちの1

・建設の専門知識・応用能力・などが問われる難易度の高い部門で、取得することで仕事の幅が広がりキャリアップにもつながる

土木施工管理技士補
1級・2級)

・土木施工管理技士の第一次検定に合格すれば認められる、令和34月に新設された資格

・取得するメリットとしては、資格手当が出たり、仕事の幅が広がったりする点

さらに収入を増やしたい人は、これらの資格を取得して、資格手当やキャリアアップを狙ってみると良いでしょう。もし手当てが無い企業で働いている場合は、福利厚生面を企業と交渉してくれる転職エージェントを活用しながら転職活動をすることがおすすめです。

こちらの記事では、土木設計を含めた土木系の資格が一覧で紹介されています。気になる方はぜひご一読ください。

土木設計に向いている人

土木設計に向いているのは以下のような人です。

  • ・土木工学に興味がある人
  • ・資格を活かして働きたい人
  • ・スケジュール管理が得意な人
  • ・問題解決能力が高い人

土木設計は、都市の再開発などの大規模なプロジェクトであることが多く、長期スパンの中で確実に仕事を進めていく必要があります。土木工学に興味があり、土木設計に関連する資格を取得していることはもちろんのこと、スケジュール管理が得意な方にも向いています。

また、施工中のトラブル対応も業務の一環であり、問題解決能力の高さは現場で活かせるスキルとなるでしょう。

土木設計の仕事についてまとめ

今回は、土木設計の仕事について解説しました。土木設計とは、人々の生活の基盤であるインフラ(橋梁・トンネル・ダムなど)を整備する、決して欠かすことのできない重要な仕事です。建築地の調査に始まり、建設による周囲への影響を考慮しながら構造物の設計を行うだけでなく、工事施工の監理・トラブル対応まで幅広く経験できるのが土木設計の仕事です。

必須の資格はありませんが、さらに収入を増やしたい場合は転職を含めたキャリアアップを目指し、土木設計に関する国家資格を取得するのもよいでしょう。土木設計の仕事に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

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