株式会社RSG

建設・不動産専門の転職・求人情報サイト

現場監督とは?仕事内容や必要な資格・スキル、を解説

施工管理転職成功ノウハウ

2025.09.04

現場監督とは

現場監督とは?仕事内容や必要な資格・スキルを解説

建設業界でキャリアアップを目指す方や、現場監督の仕事に興味がある方に向けて、現場監督の仕事内容から必要なスキル、資格、さらには具体的な「現場監督の1日」まで詳しく解説します。

現場監督と施工管理との違いや、やりがい、大変な面も掘り下げていくため、この機会に現場監督という職種への理解を深めてください。

そもそも現場監督とは?工事現場のリーダー的存在

現場監督は建設現場において工事全体を統括し作業員を指揮する重要な役職です。
建設プロジェクトが計画通りに進行するよう多岐にわたる業務を担っています。
具体的には工事の進捗状況を管理し品質が基準を満たしているかを確認し安全な作業環境を確保することなどが挙げられます。
また作業員への指示出しや問題が発生した場合の対応など現場のあらゆる側面においてリーダーシップを発揮することが求められます。
現場監督は建設プロジェクトの成功を左右するまさに現場の「指揮者」といえる存在です。

施工管理や現場代理人との役割の違い

現場監督と施工管理は、混同されがちな言葉ですが、厳密には役割に違いがあります。
施工管理は、工事全体の管理業務に特化した職種であり、工程管理、原価管理、品質管理、安全管理のいわゆる4大管理を行うことが主な役割です。
一方、現場監督は、これらの管理業務に加え、実際に現場で作業員への指示出しや指揮を執るなど、より直接的に現場を動かす役割を担います。
また、現場代理人は、請け負った工事現場に常駐し、工事の請負人の代理として現場を統括する役割を持つ者のことです。
この三者は密接に連携しながら工事を進めますが、それぞれの専門性に基づいた役割分担が存在します。

現場監督の具体的な4つの仕事内容

現場監督の仕事は多岐にわたりますが、特に重要なのが「4大管理」と呼ばれる以下の4つの仕事内容です。これらは、建設プロジェクトを円滑に進め、高品質な建物を安全かつ効率的に完成させるために不可欠な業務であり、現場監督の主要な役割となります。

工事のスケジュールを管理する「工程管理」

工程管理は、工事のスケジュールを計画し、その通りに進んでいるかを確認する重要なマネジメント業務です。

具体的には、着工から竣工までの全体のスケジュールを立て、各工程の開始日や完了日、必要な期間を設定します。

また、実際に工事が進む中で、計画からの遅延が発生した場合や、予期せぬ事態によるスケジュール変更が必要になった際には、その都度調整を行い、全体の工程に影響が出ないよう対策を講じることも工程管理の重要な側面です。

資材の搬入や職人の手配なども考慮に入れながら、効率的な工事進行を目指します。

予算内で工事を収める「原価管理」

原価管理とは、建設工事にかかる費用を予算内に収めるためのマネジメント業務です。
工事には人件費、材料費、機械経費、その他経費など様々な費用が発生します。
現場監督は、これらの費用を詳細に把握し、無駄をなくし、予算超過を防ぐための計画を立てて実行します。
資材の仕入れ価格交渉や、効率的な人員配置、適切な工法の選択などを通じて、コスト削減を図りながらも、品質を維持することが求められます。
利益を確保しつつ、顧客に納得のいくサービスを提供するためにも、原価管理は非常に重要な役割を担っています。

建物の強度や安全性を保つ「品質管理」

品質管理は、建築物や建設物の強度、耐久性、機能性などが設計図や仕様書通りの品質基準を満たしているかを確認し、管理する業務です。
工事の各段階で、使用する材料の選定や、施工方法が適切かどうかをチェックし、問題があれば改善策を講じます。
例えば、コンクリートの配合や鉄筋の配置、溶接の精度など、細部にわたる確認が必要です。
最終的に完成する建物が、安全で長持ちし、お客様の期待に応えるものであるために、品質管理は非常に重要な役割を果たします。

事故なく作業を進めるための「安全管理」

安全管理は、工事現場で働く作業員が安全に作業を進められるよう、事故や災害を未然に防ぐための管理業務です。
現場監督は、労働安全衛生法などの法律に基づき、危険箇所の特定と対策、安全設備の設置状況の確認、作業員の安全意識向上を目的とした教育や指導を行います。
例えば、足場の点検、保護具の着用指導、高所作業時の安全帯使用の徹底などが挙げられます。
作業中のヒューマンエラーを防ぐためのミーティングやKY活動(危険予知活動)も実施し、万が一の事故が発生した場合の緊急対応計画も策定します。
作業員の命と健康を守るだけでなく、スムーズな工事進行のためにも、安全管理は現場監督にとって最も負担の大きい業務の一つであり、非常に重要な責任を伴います。

現場監督の1日の仕事の流れをみてみよう

現場監督の働き方は、日勤と夜勤で大きく異なります。どちらの働き方も、工事の進捗や安全確保が主な業務内容となりますが、時間帯によってその内容や優先順位が変わってきます。

現場監督の1日は、担当する工事の性質や規模によって変動しますが、ここでは一般的な日勤と夜勤の例を挙げて、それぞれの働き方における業務内容を紹介します。

【日勤】朝礼から始まり、現場巡回や事務作業が中心

現場監督の1日は、朝礼から始まります。
朝礼では、その日の作業内容や注意事項、安全確認の共有を行います。
その後は、現場の巡回が主な作業となります。
進捗状況の確認、品質チェック、安全対策の実施状況の確認など、現場の状況を把握し、問題があればその場で指示を出します。
午後からは、事務作業が中心になることが多いです。
具体的には、工程表の作成や修正、資材の発注、協力会社との打ち合わせ、日報作成、翌日の作業準備などを行います。
夕方には、その日の作業の最終確認を行い、翌日への引き継ぎを済ませて業務終了となります。

【夜勤】夜間工事の進捗確認と安全確保が主な業務

夜間工事を担当する現場監督の1日は、日中とは異なる業務が中心となります。主な作業は、夜間における工事の進捗確認と安全確保です。

昼間と比べて作業員の数が少ない場合が多く、限られた時間の中で効率的に作業を進める必要があります。また、夜間は視界が悪くなるため、照明の確保や足元の確認など、昼間以上に安全管理に気を配る必要があります。

緊急時の連絡体制の確認や、周辺住民への配慮も重要な業務の一つです。夜間は予期せぬトラブルが発生しやすい環境でもあるため、冷静かつ迅速な判断が求められます。

現場監督の仕事のやりがいと大変なところ

現場監督の仕事は、大きな達成感や多くの人との協働といったメリットがある一方で、責任の重さや予期せぬトラブルへの対応といった負担も伴います。
ここでは、現場監督の仕事の魅力と、大変な側面について具体的に解説します。

建物が完成したときの大きな達成感

現場監督の仕事における最も大きな魅力の一つは、自分が関わった建物が完成したときに得られる達成感です。
設計図や計画段階から携わり、多くの困難を乗り越えて一つの形になった建築物を見ると、これまでの苦労が報われるような喜びを感じられます。
特に、お客様から感謝の言葉をいただいたり、自分が関わった建物が長く利用されているのを見たりする時に、大きなやりがいを感じることでしょう。

多くの人と協力して作り上げる喜び

建設プロジェクトは、現場監督だけでなく、設計士、職人、資材業者など、多くの専門家が協力し合って初めて成り立ちます。現場監督は、それぞれのプロフェッショナルと密に連携し、意見を調整しながらプロジェクトを推進していく役割を担います。多様なバックグラウンドを持つ人々が一つの目標に向かって協力し、困難を乗り越えた先に完成した建物を見たとき、チームで作り上げた喜びや一体感は、何物にも代えがたい経験となるでしょう。

天候やトラブルに左右される厳しい工期

現場監督の仕事で大きな負担となるのが、天候や予期せぬトラブルによって工期が左右されることです。
悪天候による作業の中断や、資材の納期遅延、あるいは現場での予期せぬ問題発生など、計画通りに進まないことが多々あります。
工期の遅れは、その後の工程にも影響を及ぼし、追加のコスト発生にもつながるため、現場監督は常にこれらのリスクを考慮し、柔軟な対応が求められます。
厳しい工期の中で品質を保ちながらプロジェクトを完遂させるためには、綿密な計画と迅速な判断力が不可欠です。

責任の重さからくるプレッシャー

現場監督の仕事は、工事全体の責任を負うため、常に大きなプレッシャーが伴います。
品質管理、安全管理、工程管理、原価管理といった多岐にわたる管理業務に加え、万が一事故が発生した際には、その責任を負うことになります。
予算や工期の厳守、クライアントとの調整、協力会社との連携など、常に複数の課題を抱えながら業務を進める必要があります。
この責任の重さは、現場監督にとって大きな負担となることもありますが、同時に自身の成長を促す要因にもなります。

現場監督になるために求められるスキル

現場監督として成功するためには、特定のスキルや能力、資質が求められます。
建設プロジェクトの円滑な進行と成功のためには、技術的な知識だけでなく、人間関係を円滑に進めるためのソフトスキルも非常に重要です。
ここでは、現場監督に「向いている人」が備えているべき主なスキルについて解説します。

現場全体をまとめるリーダーシップ

現場監督は工事現場のリーダーとして、多岐にわたる職種の人々をまとめ、一つの目標に向かって導くリーダーシップが不可欠です。

職人や作業員への明確な指示出しはもちろんのこと、モチベーションを高め、チーム全体のパフォーマンスを最大化するマネジメント能力が求められます。

時には厳しい判断を下す必要もありますが、常に公平性を保ち、信頼される存在であることが重要です。

関係者と円滑に連携するコミュニケーション能力

現場監督は、施主、設計者、職人、資材業者、行政機関など、多くの関係者と日々連携を取りながら仕事を進めます。
そのため、それぞれの立場や専門性を理解し、円滑なコミュニケーションを図る能力が非常に重要です。
進捗状況の報告、問題点の相談、意見のすり合わせ、打ち合わせなど、あらゆる場面で正確かつ明確な意思疎通が求められます。
相手の意見に耳を傾け、時には交渉する力も必要です。

予期せぬ事態に対応する問題解決能力

建設現場では、計画通りに進まないことや、予期せぬトラブルが発生することが常にあります。
例えば、天候の急変による工事の中断や、資材の不足、あるいは設計変更など、様々な問題に直面する可能性があります。

現場監督は、このような予期せぬ事態が発生した場合でも、冷静かつ迅速に状況を判断し、適切な解決策を見つけ出す問題解決能力が求められます。
時には、複数の選択肢の中から最適なものを選び、実行する決断力も必要です。

現場監督に必要な資格はある?

現場監督として働く上で、特定の資格が必ずしも必要とされるわけではありませんが、キャリアアップや専門性の向上を目指す上で非常に役立つ資格が存在します。

これらの資格は、自身の知識やスキルを証明するだけでなく、より規模の大きな現場や責任あるポジションに就くためにも有利に働くことが多いです。

必須ではないが、キャリアアップに役立つ資格

現場監督として働くために、特定の資格が法的に必須というわけではありません。
しかし、現場での経験を積む中で、専門的な知識や技術を習得し、それを証明する資格を取得することは、キャリアアップにおいて非常に有利に働きます。
特に、施工管理技士や建築士などの国家資格は、企業からの信頼を得やすく、より高度なプロジェクトに携わる機会が増えるなど、自身の市場価値を高める上で重要な役割を果たします。

施工管理技士(建築・土木など)

施工管理技士は、現場監督として働く上で最も関連性の高い国家資格の一つです。この資格は、施工計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理、原価管理といった、施工管理に関する専門知識と技術を有することを証明します。

建築、土木、管工事、電気工事など、様々な分野に分かれており、担当する工事の種類に応じて取得を目指すことになります。

特に、特定建設業の許可を受けるためには、施工管理技士の配置が義務付けられている場合もあり、この資格の必要性は高いと言えます。

建築士

建築士は、建物の設計や工事監理を行うための国家資格です。現場監督の仕事は施工管理が中心ですが、建築士の資格を持っていることで、設計段階からの意図を深く理解し、より質の高い施工に貢献できます。特に、設計と施工の両方に携わる機会がある企業では、建築士の資格が非常に重宝されます。1級建築士と2級建築士があり、扱える建物の規模や構造に違いがあります。

まとめ

現場監督の仕事は、建設プロジェクトにおいて中心的な役割を担い、工事全体の管理から現場の指揮まで多岐にわたる責任を負います。
工程管理、原価管理、品質管理、安全管理の「4大管理」を遂行し、多くの関係者と連携しながら一つの建物を完成させることは、大きな達成感とやりがいをもたらします。
一方で、天候やトラブルによる工期の遅延、重い責任からくるプレッシャーなど、大変な側面も持ち合わせています。
しかし、リーダーシップやコミュニケーション能力、問題解決能力といったスキルを磨き、施工管理技士や建築士といった資格を取得することで、キャリアアップの道も大きく開かれます。
建設業界で働くことに興味がある方や、キャリアアップを考えている方にとって、現場監督は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

施工管理の年収ランキング!平均は高い?資格で1000万円を目...

記事一覧へ
戻る
バナー

よく読まれている記事ランキング