建設DXとは?建設DXで働き方は変わるのか?
建設・不動産 転職豆知識
2024.11.14
スマホが普及して生活における情報収集やコミュニティ参加は大きく変わりました。ビジネスにおいてもDX(デジタル トランスフォーメーション)が話題となり、建設業界でも多くのシステムが使われています。
そこで、この記事では建設DXによる働き方への影響などを解説していきます。
建設業界の課題とDX化が進む背景
国土交通省が2016年に建設業界の生産性向上に向けた取り組みを目的に、生産性元年と位置付けi-Constructionを進めてきました。
目標としては、2025年までに建設現場の生産性を20%向上させることを目指し、危険が伴ったり時間を費やす工事や調査にはICT技術を導入したり、施工や検査に至る管理を3次元データで繋ぐ手法が挙げられ、この10年で多くの企業が推進を図っています。
参照)https://www.mlit.go.jp/common/001149595.pdf
DXツールを導入している企業
この10年で多くの建設会社がデジタル化の推進を図ってきました。推進されてきたDX化に伴い、建設業に関わる仕事や働き方などにも変化がありましたので、その内容を続けて解説していきます。
- ・大手ゼネコン企業
- →工事から社内インフラまで導入が進んでいる会社が多くなってきました。
- ・中堅ゼネコン企業
- →工事に伴う安全や機械などに関して部分的に一気に導入が進んでいます。
- ・デベロッパー/設計事務所/建設コンサル
- →調査や設計、点検、CGなどで大手企業を中心に導入が進んでいます。
- ・メーカー
- →建設機械でICTや映像技術、安全道具など多くの新たな商品を開発して建設業界に貢献されています。
- ・システム会社
- →スタートアップ企業が多く、建設現場や資材の発注に関するアプリケーション開発して貢献されています。
このように従来の建設プロセスにおける企画・設計・施工・引き渡し点検などに携わる会社がDXに関わりますが、大手企業ほどDXの導入が進んでいる傾向があります。
DXの仕事に関心のある方にとっては、大手企業の方がDXツールに関われる仕事が多いですが、経験者を採用条件にしているケースも増えてきました。
そのため、建設業界での営業や設計、施工の経験があるものの、ゼネコンではDX業務として就業チャンスが無いまたは厳しい方がメーカーやシステム会社へ転職するケースも増えてきています。
DX関連に関われるお仕事
営業職
DXという関連で1番多い職種です。募集している会社としてはメーカーやシステム会社が多く、新しいソリューションの市場展開を期待されています。建設業界出身の方々は業界知識も豊富なことから、専門的な提案・話題も期待できることから歓迎されています。
また、建設業界が未経験の方は法人営業経験などがあれば入社後商品研修も充実しており、営業力を期待して採用をされています。
年齢的には、30代前半くらいまでが採用のボリュームゾーンですが40代くらいまでの方で管理職や建設業界に人脈のある方は好条件で採用されるケースも多くあります。
カスタマーサクセス職
営業ほど求人数は多くないですが、定着率も高いポジションなので募集していたらオススメです。募集している会社としては、メーカーやシステム会社となります。営業職同様に新しいソリューションを市場展開をしているため、導入後のサポートが必要とされているポジションです。
インバウンドで相談を解決したり、導入研修をしたりなど会社によって仕事内容は異なりますが必要とされる仕事としてやりがいも高いポジションです。
求められるスキルとしては、建設業界かシステム会社のどちらかで経験がある方を歓迎されています。年齢的には30代前半くらいまでの方が採用のボリュームゾーンで若手向きの求人が多くあります。
システム開発職
募集している会社としては、メーカーやシステム会社が多くソリューションの開発や顧客向けのカスタマイズなどを取り組まれています。デザイン部門、エンジニア部門、PM部門の求人が多いのが特徴的で、社内の営業や企画部門と連携して、業務をする機会が多いと言われています。
対象者としては、スキル経験のある方を対象に30代前半くらいまでの方が採用のボリュームゾーンとなるので、SESなどでもシステムに関わる環境で働いていた方が自社開発に関わり、活躍されています。
企画部門
募集している会社としては、メーカーやシステム会社が多く事業開発や企画開発といったマーケットをつくる業務となります。既存のサービスを汎用的に拡大させたり、既存顧客のアカウント向けにサービスを開発します。
対象者としては、機械や建設現場の技術的な要件定義ができたりマーケット調査やプロジェクト推進する力なども期待されるポジションです。
経験者を重視する傾向のあるポジションで30代や40代くらいの方が採用のボリュームゾーンとなっています。
建設現場部門
ゼネコンや設計会社、コンサルや一部メーカーなどにも求人が見受けられます。
DXツールを利用する、ゼネコンや設計会社やコンサルではDX推進室という明確なポジションは少なく施工管理や設計といった、一般ポジションで建設現場の仕事を担当しながらDXツールを活用するお仕事が多くなります。
また、入社後社内でDX推進を兼務として公募している会社もありますが、基本的には建設プロジェクトを従来通り担当していただくことが主たる業務となりその手法としてDXなどを利用することが増えてきています。
対象者としては、建設現場の業務に該当する方が対象となりますので幅広く募集をされています。
このように建設DXに関わるお仕事としては、システム会社やメーカー系の求人が建設会社などより多く存在します。
システム会社やメーカー系だと学歴やシステム知識がなく事前に諦めている方も多いと聞きますが、建設業界の知識や営業などをはじめとする業務経験でも採用される方が多いので、転職エージェントに相談をしてみるのが望ましいでしょう。
建設DX関連の働き方
これまでご紹介してきたように、システム会社やメーカーといった会社での求人も多くあります。働き方の環境に関して特徴を参考にしてください。
システム会社
- ●設立年数
- →設立10年前後の会社が多く、経営者も30代から40代と若い会社が多いのが特徴です。
- ●拠点など
- →東京を中心とした会社が多く、大阪や名古屋といった都市部に支店を展開している会社も増えています。
- ●企業文化
- →社会課題を解決することを目的にスピード感を持った働き方や判断が特徴的で、JOB型の評価や制度が導入されています。
- ●働く環境
- →ロケーションはリモートワークの推奨が多いですが、入社時研修や打ち合わせなどは対面も多い為、拠点へ来れるエリアでのリモートワークを推奨されています。
勤務時間はフレックスタイム制を導入している会社が多く、コアタイム以外は家事や業務を時間単位で管理して仕事をされております。
服装も社内的にはカジュアル志向で自由度は高い雰囲気です。自由度が高い分、夜遅く面談やお客様の急な対応を当日中に解決し、現場で立ち会いをするなど生産性のある仕事を求められます。
このようにレガシーの強いメーカーやゼネコン企業体質と異なる面も多く、建設業界を出身とする方の転職先としても注目を浴びております。
メーカー系
- ●設立年数
- →50年前後の大手企業も多いが、中小企業で特定分野に強みを持つ会社やグローバルな企業などバラエティに富んでいます。
- ●拠点など
- →大手企業は全国的なエリアに支店が多く希望するエリアでの活躍は実現しやすく、専門性の高い会社は転勤などがないが拠点が限定的です。
- ●企業文化
- →年功序列式の給与テーブルがある会社が多く安定している点は前職給与から大きく影響することもなく安心できます。
- ●働く環境
- →グローバル系の企業はリモートワークやフレックス制度を採用している企業も多く英語力も活かせます。
日系の企業では、ハイブリッド型で業務に応じてなどのケースが多く、コンプライアンスにもしっかり対応していると聞きます。
敷居が高いイメージのあるメーカー(商社も含む)ですが、安定した条件の中で専門性を高めることができる環境です。
建設業界の会社
- ●設立年数
- →30年以上の歴史ある会社が多く活躍されており、平均年齢も50代に迫る業界と言われています。
- ●拠点など
- →全国に多数企業があるので、求人倍率も5倍を超える今は売り手市場と言われています。
- ●企業文化
- →技術の継承や判断から年功序列型の社内体制や、発注者から元請け1次請けなどといった構造的な階層が特徴的で、大きなプロジェクトを実行するパワーは他の産業と比較してもスケールは大きいです。
- ●働く環境
- →現場も直行直帰や先進的な安全対策、クラウドの導入など働き方改革には精力的な取り組みをされています。しかし現場で集まって仕事をすることが多いため拘束時間は長くなることもあります。
建設業界の出身の方にとってはイメージのしやすい会社が多いと思いますが、入社前にどのような働き方をしているか確認をしてみるのも長く活躍できる大切な情報です。
まとめ
このように、建設DXに関わるお仕事は建設業界以外にも多く存在して会社の特徴も様々です。
もっと詳しく情報を集めて転職をされたい方は転職エージェントに相談をしてサポートを受けてみてください。