職人から施工管理へのキャリアチェンジは可能なのか?
建設・不動産 転職成功ノウハウ
2024.11.14

現場で職人として経験を積むことでさらなるキャリアアップを目指したくなるのではないでしょうか。また、自分の仕事だけでなく広い視野を持ち合わせている人材に対しては、企業側としても指揮監督する役割を与えるケースも多く見られます。
建築現場において、指揮監督しながら安全かつ効率的に作業を進める役割を施工管理が担っています。施工管理となるためのハードルは高いイメージを持たれていますが、実際に職人からキャリアチェンジすることは可能なのでしょうか。
本記事では、そのようなキャリアチェンジは実際に可能なのかについて解説します。職人からのステップアップを図りたい方に向けて有益な情報を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
広がる施工管理へのチャンス

2024年から、施工管理技士の受験資格が改訂されました。2級の第一次検定は、17歳以上であれば受検可能と従来と変更ありません。
一方で、1級の第一次検定は19歳以上であれば受検可能となり、より多くの方が施工管理技士の資格取得を目指せるようになったのです。令和6年度から令和10年度までの間、二次検定については旧受験資格と新受験資格を選択可能となり、猶予期間が設けられています。
昨今、建築業界でも人手不足が深刻化している事情がある中で、学歴や経験年数によるハードルが低くなったため、これまで以上に施工管理になれるチャンスが広がっているのです。
その中でも、職人は現場での業務を理解していることもあり、施工管理としてのキャリアチェンジを歓迎する企業もみられます。ここでは、企業が施工管理を採用するにあたり気にしているポイントなどを詳しく解説します。
年齢・資格・経験
施工管理に求められる経験として、主に以下の職人としての経験を活かせる傾向にあります。
- ・大工
- ・土工
- ・とび
- ・鉄筋工
- ・内装工
- ・塗装工
- ・配管工
- ・電気工事士
上記はあくまでも目安でしかなく、実際にはどのようなジャンルの職人経験が重宝されるか企業により異なります。また、一般的に年齢だけで判断するのではなく、年齢相応の求められる経験や資格があることを認識してください。
例えば、30歳以下の場合は施工管理経験がない人でも採用に積極的な企業も多いでしょう。一方で36歳以上となると、何かしらの資格があると転職が有利に働きます。
年齢でみると、無資格の場合に書類が通りにくくなるのは30代半ばが一つの基準になるかもしれません。
必要なポテンシャル
施工管理になるためのポテンシャルとしては、主に以下が挙げられます。
- ・新しい環境でチャレンジする意欲
- ・新しいことを覚えることが好きor得意
- ・謙虚な姿勢
施工管理の場合、従来の職人としての知識だけでなく、以下のようなスキルが必要です。
- ・事務処理する上で必要となる基本的なPC操作
- ・事務処理(契約・見積もり対応)
- ・データ分析
- ・CADオペレーション
- ・建築の基礎知識
- ・原価
- ・品質管理
- ・安全管理
- ・顧客とのやりとり
以上のように、現場だけでなく事務作業に関するスキルも最低限必要となります。
職人に求められるスキルとは乖離を感じる方もいるでしょう。また、想像以上に覚えることがあったり、資格取得に向けた勉強が必要となったりします。新しい知識を習得することが苦手な方や意欲がない方にとっては、施工管理への道は険しいものとなります。
また、年齢によりますが転職先では年下の先輩の指導や指示を受けることも想定されます。疑問点がある場合などには、たとえ年下であっても先輩に素直に聞ける謙虚な姿勢で対応できるかも重要です。
自分に合った会社・職場を見つける
どれだけ施工管理としての適性があったとしても、その能力を活かせる職場でなければ力を発揮できないものです。これは、施工管理だけに限った話ではないものの、いかに自分にあった職場や会社を見つけることが重要となるでしょう。
自分に合った会社や職場とは、自分の能力を遺憾なく発揮できる環境が整っているかどうかです。適切なポジションを与えられて、周囲のサポートを受けながら仕事出来る職場であれば、自分の仕事のパフォーマンスを上げることができるでしょう。
自分に合っている会社かどうかは、求人情報の確認以外にも評判サイトなどによって確認できます。ただし、退職者の書き込みや稀に自演のケースもあるため、記載内容を鵜呑みにするのは注意が必要です。
確認する時間が取れなかったり、自分に向いているかの判断に迷ったりしている場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。建築業界に特化したエージェントを利用することで、求人情報などでは得られない企業の体制や働き方などを一緒に考えながら、一人ひとりに合わせた企業を紹介してもらえる可能性が高まります。
事例:職人から施工管理へ

職人から施工管理に、見事にキャリアチェンジを成功させた方も多くいます。ここでは、実際に転職した方の事例を紹介します。
どんな経験だったのか、年収は上がったのかなど、是非参考にしてください。
年齢・性別 | 転職前(年収) | 転職後(年収) |
20代:男性 | 防水職人(年収450万円) | 建築施工管理(年収480万円) |
40代:男性 | 土木作業員(年収550万円) | 土木施工管理(年収550万円) |
20代:男性 | 型枠大工(年収330万円) | 建築施工管理(年収450万円) |
30代:男性 | 大工(年収400万円) | 建築施工管理(年収450万円) |
30代:男性 | 金物職人(年収350万円) | 建築施工管理(年収450万円) |
20代:男性 | とび(年収250万円) | 建築施工管理(年収360万円) |
上記はあくまでも一例ではあり、転職した初年度から飛躍的な年収アップは見込めないかもしれませんが、施工管理は経験値や資格の取得により年収が上がるため、5年後・10年後には大きく年収がアップしていることでしょう。
将来的に体力仕事を続けることに不安を感じている方は、早めに転職を検討することをおすすめします。
気をつけるべきポイント

「給料を上げたい」「管理側で働きたい」「現場のトップに立ちたい」など、安易な動機だけでキャリアチェンジを決めるのは得策ではありません。やりたいことや譲れない条件、ライフスタイルなどを一つ一つ整理してから、冷静に判断する必要があります。
ここでは、年齢別に施工管理を目指す際に注意すべきポイントを紹介します。
20代独身職人の場合
まだ自分のことで精一杯で将来の方向性やキャリア形成まで意識が回っていない方も多い時期です。20代で施工管理を目指すのであれば、建築なのか土木なのか、それとも設備なのかなど、何がやりたいのかをしっかり考えておくことが大事となります。
もし、未経験の分野を目指す場合は、それを達成するために徐々にスキルや知識を高めていく行動を取るのがおすすめです。他にも、絶対に譲れない条件についても整理しておくと転職後のミスマッチを防げます。
30代独身職人の場合
職人として一定の経験を積んだ状態で、ある程度余裕も生まれる時期です。また、経験に比例して一定の収入を得ている状態でもあります。
働き盛りの時期であっても、転職時には一定期間は現職よりも年収が下がる可能性が高いことは覚悟しておかなければなりません。また、転職先では先輩が年下であることも多くなるため、年下の先輩に素直に質問できるかも重要です。
決して転職するのに遅すぎるタイミングではないものの、年収面や職場環境など総合的に慎重な判断が必要になります。
40代妻子あるベテラン職人の場合
職人としての収入も高くなり、ベテランとして活躍する年代です。このようなケースでは、豊富な経験があったとしても、無資格では転職が非常に難しくなる年代です。
企業側としては無資格の場合、若年層を育てていきたいと考える傾向にあり、40代で資格がない人は採用に結びつかないケースが多いため、資格取得後の方が転職への近道の場合が多いでしょう。
また、年代的に家庭を有している方も多いので、家族の意見を聞くことは忘れてはいけません。子どもの年齢によっては、進学などで費用がかかったりマイホームを検討したりする年代でもあるので、生活の安定性を求める場合は、特に慎重に転職可否を判断する必要があります。
まとめ
職人から施工管理へのキャリアチェンジは可能であり実例もありますが、年齢により求められる経験やスキル、または資格があることは認識してください。
もし、自分にあった企業や職場を見つける時間がないといった場合は、転職エージェントに相談してみるのも一つの手です。転職エージェントに相談することで、市場観を交えて的確なアドバイスがもらえる可能性が高まるでしょう。

