設備設計の転職を成功させるコツとは?有利に働く国家資格を9つ紹介!
建設・不動産 転職成功ノウハウ
2024.11.14
転職を考えた時、「失敗したくない」と考える人が多いのではないでしょうか。設備設計者として転職したい理由は、「年収を増やしたい」「資格取得に専念したい」「家族との時間を取りたい」など、人それぞれでしょう。
今回は、設備設計の転職を成功させるコツについて解説します。さらに、転職の際に有利に働くとされる国家資格についても紹介します。設備設計の転職を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
設備設計の仕事内容
「設備設計」は建築設計の1分野です。建物の外観や内部のデザイン・間取りを考える「意匠設計」と、建物の構造上の安全性を高める骨組みや土台を考える「構造設計」と協力して設計図を作成していきます。
設備設計の仕事では、建物を利用する人が快適に過ごせるよう、空調・給排水・電気設備の設計を行います。設備設計をするために資格等は必要ありませんが、安全性にも関わるため、建築や設備に関する知識がなければ行えない仕事です。
設備設計の年収は?
企業の特徴による年収傾向の例を紹介します。
設備設計の年収事例(大手ゼネコン勤務)
大手ゼネコンでは、20代後半で年収が550万円前後(残業代込み)といわれています。その一方、中小企業であれば、同条件でも年収450万円程度となる場合もあるかもしれません。
一般的にゼネコンでは、勤続年数が上がるにつれ年収も上がる傾向があるため、例えば年収1,000万円に到達するのは、上の役職に就いている60歳前後が多くなっています。
大手のゼネコンにおける給料アップの仕組み
前述した通り、基本的には在籍年数に応じて年単位で数千円~数万円が加算されていきます。その他にも、役職試験に合格すると役職手当が、資格試験に合格すれば資格手当が支給される企業が多いでしょう。
大手ゼネコンでは組織上の役職が多く存在するため、在籍年数や実績に応じた年収アップが見込まれます。
企業体制によっては出世しにくい
「設備設計」は、「意匠設計」や「構造設計」と比較すると人数が少ない部署であり、企業によっては、最も上の役職が課長というケースもあります。入職後に昇進を狙いたい方は、事前に設計部のトップや体制について確認しておくのがおすすめです。
設備設計の転職を成功させるコツ
設備設計の転職を成功させるコツは以下の3つです。
- ・なぜ転職したいのかを明確にする
- ・有利になる資格の取得を検討する
- ・転職エージェントに登録する
上記のコツについて詳しくみていきましょう。
なぜ転職したいのかを明確にする
設備設計者として転職を決意したら、「なぜ転職したいのか」を整理しておくと良いでしょう。なぜなら、転職理由が明確でなければ転職に失敗するおそれがあるためです。
転職失敗例として挙げられるのが、「報酬面だけを見て転職したら、拘束時間が長く激務だった」といったケースです。報酬アップを狙った転職で報酬面がクリアになったとしても、資格取得の勉強時間がとれなかったり、家族と過ごす時間が減ってしまったりするかもしれません。
転職して理想の生活を手に入れるには、報酬面だけでなく福利厚生などの待遇面も含め、希望する条件を満たす企業を探す必要があるのです。
有利になる資格の取得を検討する
設備設計は、関連する資格を取得することにより、仕事の幅が広がりやすいのが特徴です。設備設計の仕事をする上で取得を目指したい国家資格は、受験資格のハードルが高いものが多い上に難易度も高くなっています。しかし、資格を取得することで周囲から一目置かれ、給与アップや昇進も見込まれるでしょう。
例えば、工事現場で重宝される「管理技士」の資格は、転職時にも有利に働くため、取得を検討してみましょう。その他にも、向上心を持ってさまざまな国家資格を取得しておくと、転職先の選択肢が増え、より好条件の企業と巡り合えるかもしれません。
転職エージェントに登録する
設備設計の転職を考えた時に、自分で求人情報を調べて、条件の合う企業に応募するのは1つの方法です。しかし、求人情報だけで判断すると、「入職してみたら思っていた仕事内容ではなかった」「能力以上のことを求められる」といったミスマッチが起こるおそれがあります。
そのため、転職エージェントに登録して、条件の合う企業をプロに紹介してもらうのがおすすめです。建設業界に特化した転職エージェントを併用することで、より能力にマッチした転職先を見つけられることでしょう。また、残業時間などの聞きにくい実情を調査したい場合も、転職エージェントを通して企業に確認してもらうことができます。
設備設計の転職に役立つ資格9選
設備設計の転職に役立つ資格は、以下の9つです。
- ・建築士
- ・設備設計一級建築士
- ・建築設備士
- ・管工事施工管理技士
- ・電気工事施工管理技士
- ・技術士(電気電子)
- ・技術士(建設)
- ・電気主任技術者
- ・電気通信工事施工管理技士
各資格の概要・難易度・特徴について表にまとめたので、参考にしてみてください。
資格概要 | 難易度 | 特徴 | |
建築士 | ・建築物の設計や工事監理を行う国家資格 ・一級と二級がある | ・一級:合格率12%前後 ・二級:合格率20%前後 | ・二級から取得する人が多い ・一級の免許取得には、試験合格と2年の実務経験が必要 |
設備設計一級建築士 | 建築士の上位資格 | 講習の修了率は40%程度 | ・一級建築士として5年以上の実務経験がなければ受験できない ・希少性の高い資格 ・現場で重宝される |
建築設備士 | 建築設備(空調・換気・給排水衛生・電気)の知識や技能を有し、建築士に適切なアドバイスを行う | 合格率は15~20% | 合格で建築士の受験資格が与えられる |
管工事施工管理技士 | ・空調や給排水設備など、配管工事の施工管理を行える ・一級と二級がある | 普通 | 2級の一次試験は未経験可 |
電気工事施工管理技士 | ・1級と2級がある ・施工管理に必要不可欠な国家資格 | ・普通~やや難 ・電気工事士より難 | ・一次試験は誰でも受験可 ・二次試験は実務経験必須(4~7年) ・高い需要がある ・資格取得によるメリットあり(年収アップ・転職に有利など) |
技術士 (電気電子) | 電気エネルギーや情報通信などに関するコンサル業務を行える | 合格率:30~50%前後 | ・誰でも受験可 ・取得により転職が有利になる |
技術士 (建設) | ・設計や施工計画に携われる ・建設業のコンサル業務を行える | 合格率:10%前後 | 建設コンサルタントや官公庁への就職など、仕事の幅が広がる |
電気主任技術者 (電験) | ・通称電験 ・第三種~第一種まである ・電気事業法で定められる国家資格 ・大規模な建物の電気設備の保守・監督を行える | ・難易度は高い ・年度により合格率にバラつきあり | ・誰でも受験可 ・難関試験のひとつ ・取得で転職がかなり有利になる |
電気通信工事施工管理技士 | ・1級と2級がある ・電話などの通信機器や、インターネット・Wi-Fi関連の工事を行える | 合格率:30~40%前後 | 2級の一次試験は未経験可 |
上記9つの資格はそれぞれ電気設備に関連するため、試験によっては、保有資格に応じた試験科目の免除が受けられる可能性があります。免除を上手く利用すれば、試験の難易度を下げられるため、ぜひ確認してみてください。
設備設計の転職についてまとめ
今回は、設備設計の転職を成功させるコツと、転職に有利に働く国家資格について解説しました。転職を成功させるには、まず転職したい理由を明確にして、条件を満たす企業を探すのがコツです。より好条件で転職を成功させるには、設備設計に関連する国家資格の取得がおすすめです。
さらに、転職エージェントに登録し、企業とのマッチングをプロに任せることで、より能力に応じた転職先が見つかることでしょう。設備設計の転職でお悩みの方は、ぜひこの記事を参考に転職活動を進めてみてください。