不動産の業界には、「用地仕入れ」という仕事があります。用地仕入れとしての就職は、未経験でもなれるチャンスがあり、他の業種と同様に求人を見極めて応募することが大切です。では、用地仕入れの求人にはどのような特徴があるのか、求人例を挙げながら解説していきます。

売買用の土地を仕入れる用地仕入れ

「用地仕入れ」は、売買や開発などに使用する土地を仕入れる仕事です。土地の権利者に声をかけて、売却してもらう営業が基本となります。自ら権利者を探して、売却してくれるように働きかけなければならないため、コミュニケーション能力が非常に求められる仕事です。

例えば、用地仕入れの対象となる権利者は、一般住宅の持ち主や小売店のオーナーなど様々な立場の人になります。場合によっては、土地の売買を専門としている不動産会社から仕入れることもあるでしょう。どのような相手から仕入れるのかは会社によって異なり、種類を問わない会社もあれば、住宅地専門、商業用専門など、特定の土地に特化している場合もあります。

商品化までが仕事になることもある

仕入れた土地は、そのまま売却したり開発に使ったりできるとは限りません。各種手続きや工事などを行い、商品としての形に仕上げる必要があるでしょう。その商品化までが、用地仕入れの仕事になる場合も多いです。ただ、規模の大きな会社は、用地仕入れと商品化が部門ごとに分かれているケースもあります。その場合は、用地仕入れの仕事と商品化を兼任する必要はないでしょう。

土日祝日は休日が多い

不動産業界では、土日祝日が休日になることが少ないでしょう。会社によっては、土日祝日に客足が増えて忙しくなるかもしれません。しかし、用地仕入れの場合は、営業先が休業している、金融機関が仕事に欠かせないといった理由で、土日祝日が休日になる傾向があります。平日が休日になりやすい不動産業界でも、特殊な形態の仕事と言えるでしょう。

用地仕入れの求人の特徴とは

それでは、用地仕入れの求人には、どのような特徴があるのかを見ていきましょう。

不動産会社の求人が多い

用地仕入れの求人には、不動産会社が出しているものが数多くあります。土地を購入して売却するのが、不動産会社の主な業務のひとつだからです。そのため、用地仕入れの求人を選ぶということは、不動産会社を選ぶということになると考えておきましょう。

ただ、不動産会社以外にも、用地仕入れの求人を出している会社はあります。特に開発会社は、開発する土地を自ら手に入れるために、用地仕入れの人材を必要としている場合が多いです。また、飲食店や小売店など、広い地域に展開しているグループが、新規店舗用の土地を仕入れる人材を募ることもあるでしょう。

基本的には正社員の募集

用地仕入れの営業は、不動産会社にとって非常に重要です。責任が重く、場合によっては機密情報が絡んできます。そのため、用地仕入れの求人は、原則として正社員を募集する内容だと考えておきましょう。アルバイトやパートはもちろん、契約社員として用地仕入れの人材を募集することはほとんど見かけません。

固定給に歩合を加算する給与形態が多い

用地仕入れの仕事は、土地を購入する契約を成立させなければ、会社に貢献することができません。そのため、契約数に応じて給与が変わる、歩合制を提示している求人が多いです。ただ、ほとんどが正社員なので、完全な歩合制ではありません。固定給に歩合給を加算するものが多いと考えておきましょう。また、一般的なサラリーマンと同じように、固定給の求人もたくさんあります。

用地仕入れの求人の具体例

用地仕入れの求人にどのような特徴があるかわかっても、具体的にイメージしにくいという人はいるのではないでしょうか。そこで、実際にどのような形で用地仕入れの求人が公開されているのか、例をいくつか紹介していきます。

不動産開発企業

不動産営業総合職

不動産仕入れ営業

住宅建築企業

用地仕入れの求人を攻略するには

一般に公開されている用地仕入れの求人は、種類が非常に多いです。その中から、いくつかの候補に絞り込まなければなりません。では、どのように攻略して候補を選べば良いのか、解説します。

業務内容は用地仕入れのみかどうか

不動産会社の求人の中には、「用地仕入れ・販売営業」という風に、他の業務を担当する人材をまとめて募集しているものもあります。そのような求人に申し込むと、用地仕入れだけでなく、他の仕事と兼任するかもしれません。会社によっては、他の業務ばかり任されて、用地仕入れの仕事がほとんどできない恐れもあります。よって、用地仕入れの仕事だけをしたいと考えている人は、そういった求人は避けた方が良いでしょう。

また、仕入れた用地の商品化が業務に含まれているかどうかも、しっかり確認することをおすすめします。商品化が別の部門になっている会社であれば、仕入れだけに集中できるはずです。

必要であれば未経験可の求人を選ぶ

用地仕入れの仕事をするには、スキルや経験が欠かせません。そして、求人の中には、十分なスキルと経験を持った、即戦力の人材を募集しているものもあります。未経験から用地仕入れの仕事をしたいと考えている人が、そのような求人に申し込んでも、採用される可能性は低いでしょう。

経験が浅かったり全く経験がない人は、まずは「未経験者歓迎」の求人を選んだ方が無難です。未経験でも採用される可能性が高い上に、入社してからしばらくはスキルと経験を身に付けるための期間を設けてくれるかもしれません。未経験者を歓迎していることは、求人のアピールポイントなので、目立つ部分に書いてあることがほとんどです。それを目印にして候補を選びましょう。

会社の設立年数を確認する

求人で公開されている社名を元に、その会社がいつ設立されたのかを確かめることも重要です。設立してから長い期間ずっと営業を続けてきた会社であれば、業務全体が落ち着いている可能性が高く、用地仕入れの仕事もしやすいでしょう。未経験の人が教育してもらえる制度も整っているかもしれません。

そうではなく、設立してから間もない会社だと、あまり余裕がない可能性があるでしょう。まずは売買に使用する土地を仕入れなければいけないので、用地仕入れに求められることが多くなるケースもあります。例えば、既存の他社との差をつけるために業績のノルマが多くハードルも高い、といったこともあるかもしれません。したがって、スキルや経験に自信がある人以外は、設立してすぐの会社は避けた方が無難でしょう。

福利厚生や休日なども忘れずに確認

用地仕入れの仕事は、基本的に正社員待遇です。そのため、福利厚生なども期待できます。各種保険はもちろんのこと、手当や補助などが充実している求人を選ぶと良いでしょう。また、土日休みであることに魅力を感じて用地仕入れを選ぶ場合、休日もしっかり確認してください。用地仕入れだからといって、必ずしも土日が休日になっているとは限らないからです。

用地仕入れで成功するためには求人選びが重要

用地仕入れの仕事をするためには、特別な資格や学歴は必要ありません。そのため、未経験から用地仕入れとして就職することは可能です。そして、しっかり活躍すれば、会社にとって欠かせない存在になれるでしょう。

ただ、用地仕入れでスキルアップした上で活躍できるかどうかは、入る会社次第です。そのため、求人の特徴をしっかり見極めて、応募する会社を選びましょう。