プロパティマネジメントとは?仕事内容や求められるスキルについてを解説
建設・不動産 転職豆知識
2024.12.19
不動産業界において、物件のオーナーの意向に沿って仕事を進めるケースがあります。代表的な職種として、賃貸管理やプロパティマネジメントが有名です。
では、プロパティマネジメントになるためには、具体的にどのようなスキルが要求されるのでしょうか。
本記事では、プロパティマネジメントの仕事内容や求められるスキルについて解説します。これからプロパティマネジメントを目指したい人にとって有益な情報を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
プロパティマネジメントの重要性
プロパティマネジメント(Property Management)は、通称PMとも略されることが多いです。主な役割としては、不動産に関して管理や運用を行う業務のことを指します。
不動産に関する専門的な知識を持つスタッフが、オーナーに代行して収益不動産の運用や管理を実施し、資産価値を最大限に高める必要があります。
ビルや商業施設においては、買い物や食事される方もプロパティマネジメントのお客様となります。これは来館者が増えて商業テナントの収益が向上することで、賃料の安定的回収につながるためです。
ビルの収益性を高める運営を推進すると同時に、テナントや訪れるお客様に対して安全、安心、快適、清潔な環境を実現してビルや街の価値を高めてオーナーに還元できるかが重要となります。
近年では、環境への配慮が問われたりコミュニティへの貢献が必要になったりするなど、社会的な要請に応えつつ物件を運用する機会が増えています。プロパティマネジメントは、長期的な視点に立って物件価値を維持するだけでなく、ステークホルダーからの信頼を得られるかも重視されるのです。
仕事内容
プロパティマネジメントの業務範囲は、非常に多岐にわたる特徴があります。具体的な業務は、以下のとおりです。
- ・リーシングマネジメント業務
- ・レポート業務
- ・メンテナンス業務
- ・コンストラクションマネジメント業務
- ・アカウント業務
各業務の詳細は、以下のとおりです。
リーシングマネジメント業務
リーシングマネジメントとは、不動産オーナーの代わりとなって集客活動や管理業務を行うことです。空室物件に対して新たなテナントを獲得するため、広告を出稿したり仲介会社へ情報提供したりするのが主な仕事です。
また、不動産流通標準情報システム(レインズ)の登録なども担当します。加えて、情報を掲載するだけでなく物件への問い合わせがあった場合の対応や、仲介会社を現地まで案内することも業務の範囲内です。
申し込みがあると、申込書に対しての対応やテナントの属性などを加味して、管理会社としての意見や判断をとりまとめてオーナーに報告します。場合によっては、条件交渉をおこなって契約がまとまるように調整するケースも多いです。
プロパティマネジメントには承認権限はなく、あくまでもオーナーが最終的な決断を下します。オーナーの承認を受けた後、賃貸借契約を結んで入居が済めばリーシングマネジメントとしての一通りの業務は完了です。
ただし、入居した後の更新の手続きやクレームが発生した際の対応も、リーシングマネジメント業務に含まれる場合があります。
レポート業務
レポート業務では、オーナーが現状を容易に把握できるようにデータをまとめる業務となります。主に取り扱うデータとして、以下が挙げられます。
- ・キャッシュフローの管理
- ・テナント一覧の作成
- ・プロパティマネジメントとしての活動報告
データは単なる数字でだけでなく、どのようなトレンドなのかをグラフ等を用いてわかりやすく作成することが重要です。また、データの提示だけでなく現状の問題点や自社の強みなどの情報を提供するのも良いでしょう。
キャッシュフローの管理も含まれるため、絶対に誤りがあってはならず正確性も求められる業務と言えます。
メンテナンス業務
不動産物件は、いつまでも同じ状態を維持できるわけではありません。特に、多くの利用者がいる商業施設の場合、特に供給部分において劣化が進行します。
そこで、資産価値の維持や向上を目的として、共用部分を含めた設備の維持管理、清掃を行う必要があります。メンテナンス業務としては、主に以下を担当しなければなりません。
- ・電気や水道の定期点検
- ・清掃や建物・設備の修繕
電気や水道などの設備が故障すると、テナントの営業や入居者の生活に支障を及ぼすリスクがあるため、異常がないかを定期的に点検しなければなりません。また、点検の結果以上がみられる場合は、早急に修理対応する必要があります。
また、常に綺麗な状態を維持するために清掃も定期的に実施しなければなりません。特に、飲食店が入居する商業施設の場合は、衛生管理にもつながるため気をつける必要があります。
ほかにも、計画された修繕を順次行っていくことも重要な業務となります。
コンストラクションマネジメント業務
コンストラクションマネジメント業務は、資産価値の維持や向上を目的としており、メンテナンス業務と目指す方向性は同じです。ただし、具体的な業務内容としては以下のようにメンテナンス業務とは異なります。
- ・工事計画の立案
- ・施工内容の確認
- ・工事監理
以上のように、コンストラクションマネジメント業務は管理する計画を作成したり実施状況を監視するのに対して、メンテナンス業務は現場作業の管理を行う違いがあります。
コンストラクションマネジメント業務にとって、特に重要となるのが修繕計画の立案から工事管理です。修繕は時間と費用がかかり、中長期的な観点から計画を立てて対応しなければなりません。
アカウント業務
アカウント業務とは、オーナーの手間を削減するために対応する業務のことです。アカウント業務の主な業務内容は以下となります。
- ・入出金確認
- ・明細書発行
- ・会計報告
- ・税務処理
テナントが多い場合は、毎月の経理業務に追われるものです。そこで、アカウント業務をプロパティマネジメントに依頼するケースも増えています。
会計報告や税務処理を担当することになるので、経理や会計に関する知識が必要です。
PMに求められる能力
プロパティマネジメントに対しては、主に以下の能力が求められます。
- ・マーケティング能力
- ・リーシング力
- ・コスト管理能力
- ・産価値維持能力
各能力の詳細は、以下のとおりです。
マーケティング能力
マーケティング力とは、他社の一般的なデータや今後の供給予定データを、独自にまとめて最新の最適なマーケット分析・市場把握をおこなえる能力のことです。マーケットリサーチして当該物件の立地や設備、グレードなどを分析した上で、現状の商品力を把握する業務に役立てます。
プロパティマネジメントには分析能力は必須となり、全体を俯瞰した上で適切なアドバイスをする視野の広さも必要です。
リーシング力
リーシングとは、賃貸物件の仲介業務や客付け、テナント付けのサポート、そして契約を成立させることを意味する、商業用不動産業界で使用される専門用語です。複数の店舗が入居する商業施設や不動産物件に対して、賃貸借契約の手続きを進めたり、借り手を見つけるためのサポートを担当しなければなりません。
コスト管理能力
不動産経営をしていくうえで、コスト管理能力は必須となります。プロパティマネジメントが担当する管理業務として、以下が挙げられます。
- ・契約業務
- ・修繕業務
- ・管理監督業務
- ・経費管理業務
- ・資産維持業務
上記において、いかに無駄なコストが発生していないかを見抜ける力が問われます。
資産価値維持能力
不動産の価値を維持するためには、顧客ニーズに合わせて中長期の修繕予算計画を立てなければなりません。この際に、顧客が不満を感じる段階を統計的に予測して、適切なタイミングでリニューアルできるかが重要です。
プロパティマネジメントには、自社の都合を優先するのではなく、顧客満足度の評価を維持しながら建物自体も存続させる能力が問われます。
まとめ
プロパティマネジメントは、本記事で紹介したように非常に高いスキルが問われますが、基本的には必須となる資格は存在しません。ただし、不動産知識の他、マーケティング力などが必要となります。
また、オーナーなどとのやりとりにおいて、提案力やコミュニケーション能力がある人が向いていると言えます。もし、プロパティマネジメントを目指すなら転職エージェントの活用がおすすめです。
転職エージェントに依頼すれば、自分の働きたい条件にマッチした不動産会社を選んでもらえます。また、プロパティマネジメントに関する疑問などにも答えてもらえます。
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