施工管理の資格7選!メリットや資格を取得する手順も紹介
建設・不動産 転職豆知識
2023.11.07
施工管理として働く上では、資格を保有していることが重要になります。もっとも、具体的な資格の種類や内容について、あまり知らないという方も多いのではないでしょうか。以下では施工管理の資格について詳しく見ていくので、ぜひ参考にしてください。
施工管理の資格とは?
一般的に施工管理の資格と呼ばれているのは、建設業法第27条に基づいて設けられている施工管理技士という国家資格のことです。この資格は、建設工事現場において、技術責任者として施工管理を行うことができるというもので、1級と2級に分かれています。
1級施工管理技士
1級施工管理技士の資格を取得すると、監理技術者として認定され、29種類ある建設工事のうちの17項目において施工管理を担当できるようになります。また、1級は2級の上位互換的な資格であるため、1級を取れば主任技術者として施工管理を担当することも可能になります。
2級施工管理技士
2級施工管理技士の資格を取得すると、主任技術者として認定され、29種類ある建設工事のうちの12項目において施工管理を担当できるようになります。1級施工管理技士の資格とは違い、監理技術者にはなれないという点に注意しましょう。
施工管理技士になるために資格は必要なのか?
施工管理技士になる上で、資格は必ずしも必要ではありません。もっとも、法律に基づいて各工事現場には施工管理技士の資格保有者が必ず1人以上配置されていることが義務付けられているため、施工管理に関する求人の中には資格の取得を必須としているものが少なくありません。そのため、施工管理の仕事でキャリアアップを目指していきたいと考えているのであれば、あらかじめ施工管理技士としての資格を取得しておいた方がよいでしょう。
施工管理のおすすめの資格7選
次に、施工管理の資格の中でおすすめの7つをピックアップして、紹介していきます。
建築施工管理技士
建築施工管理技士の資格は、建築業界のあらゆる分野における施工の知識を有していることを証明する資格です。他の資格が特定の分野についての専門性を示すものであるのに対し、建築施工管理技士は建築全般にわたる施工の知識が必要とされているため、施工管理として働く上で基本の資格とされています。そのため、施工管理に従事したいのであれば、まずはこちらの資格を取得するのがおすすめです。
電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士は、その名の通り、電気工事に関する施工の管理に特化した資格です。電気工事を行う建設業者は、営業所ごとに電気工事施工管理技士の資格を持った専任技術者を1名以上配置しなければならないため、1級を取っておくとキャリアアップをするうえで非常に有利になるでしょう。
土木施工管理技士
土木施工管理技士は、土木工事の施工管理を行う上で必要とされている資格です。そのため、土木の分野で働きたいと考えているのであれば、監理技術者と主任技術者のいずれにもなれる1級をぜひ取得しておくことをおすすめします。
電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士は、変電設備や送電設備、照明、配線といった電気設備工事の施工管理に関する知識を有していることを証明する資格です。電気工事はほとんどの工事現場において行われるものですので、この資格を取っておけば様々な場所で活躍できるでしょう。
管工事施工管理技士
管工事施工管理技士は、配管工事の施工管理に関する知識を有していることを証明する資格です。この資格を持っていれば、空調設備や下水道、ガス管、浄化槽、ダクトといった配管に関する施工管理を任せてもらいやすくなります。
造園施工管理技士
造園施工管理技士は、公園の建設や街の緑化工事といった造園についての施工管理に関する知識があることを証明する資格です。ビルの屋上緑化や商業施設の庭園を施工する際にも求められる資格となっていますので、取得しておいて損はないでしょう。
建設機械施工管理技士
建設機械施工管理技士は、クレーン車やブルドーザー、油圧ショベルといった様々な建設機械を使用する建設現場の施工管理に関する知識があることを示す資格です。大規模な工事現場では特に重宝される資格であるため、そういった工事に従事したいと考えている方はぜひ取得を検討してみてください。
施工管理に関する資格を取得する手順
2023年5月に国土交通省より、施工管理技術検定の受検資格を見直しする方針が発表されました。
以前は、学歴などで受検資格に制限がありましたが、2024年4月から受験資格が緩和され、取得しやすくなるようです。
それでは、施工管理の資格を取得するための新たな手順について見ていきます。
1級施工管理技士の場合
1級施工管理技士が、今回の受験資格改正で最も大きなインパクトがあったのではないでしょうか。19歳以上であれば学歴関係なく受験資格が得られます。1次検定合格後の実務経験は変わらず必要ですが、経験年数も大幅に短縮されました。
試験は、施工管理技士の種類ごとに実施されるので、希望に合わせてどれを受験するかを選ぶことができます。市販の問題集などを使って独学で合格することも不可能ではありませんが、合格率が50パーセント以下であるという点を踏まえると予備校などを利用するというのも一案です。
2級施工管理技士の場合
2級施行管理技士の受験資格は、これまで同様に17歳以上であれば問題ありません。こちらも1次検定合格後の実務経験の年数は短縮されています。1級ほど難易度は高くないので、勉強する習慣が身に付いているという方であれば、独学で合格を目指してみてもよいでしょう。
引用:国土交通省報道発表資料 技術者制度の見直し方針より抜粋
施工管理の資格を取得することのメリット
最後に、施工管理の資格を取得するメリットについて説明します。
収入増につながる
施工管理技士の資格の取得は、年収アップにつながります。すなわち、資格を保有することによって現場で任せてもらえる仕事の幅が広がり、より希少価値が高い人材として扱ってもらえるようになるのです。企業によっては、資格手当がもらえるケースもあるので、少しでも収入を増やしたいと考えている方は資格取得をしたうえで、待遇の良い企業への転職にチャレンジしてみるとよいでしょう。
資格があれば転職も有利になるため、仕事を失うリスクも最小限になります。60歳を過ぎても雇ってもらえる可能性が高くなるので、定年後も仕事を続けたいという方もぜひ取得しておくのがおすすめです。
責任ある仕事に従事できる
施工管理技士の資格を持っていると、工事現場などにおいてより規模の大きい仕事を任せてもらえるチャンスが多くなります。たとえば、2級施工管理技士の資格があれば、主任技術者の仕事をアサインして任せてもらいやすくなりますし、1級施工管理技士の資格を持っておけば、全般的な施工管理を担う監理技術者として仕事に従事する機会が多くなるでしょう。そうなれば、大規模な工事現場で活躍できるようになるので、それを通じてより多くのスキルや経験を身に付けることができるようになるはずです。
市場価値をアップできる
施工管理技士の資格は、施工管理についての知識があるというだけでなく、一定以上の経験を有している証左にもなります。1級の有資格者になれば、大手のゼネコンや建設会社といった入社の難易度が高い企業にも採用してもらいやすくなるので、安定した職場で働きたいという方にとっては非常に魅力的な資格であると言えるでしょう。
施工管理の資格についてまとめ
以上で見てきたように、施工管理の仕事に従事する上で、施工管理技士の資格は非常にアドバンテージとなります。難易度はそれなりに高いものの、取得によって得られるメリットは非常に大きいので、施工管理の仕事をしたいという方はぜひチャレンジしてみるとよいでしょう。学生の方や、異業種から施工管理に転職しようとしている方には、今回の受験資格改正の新制度は、大きなチャンスではないでしょうか。
また、資格取得後に転職をして市場価値をアップしたい方は、転職エージェントに相談しつつ転職活動を行うと、より効率的に条件の良い企業と出会える可能性が高まるでしょう。