不動産業界におけるDXとは?システムや効果についてを解説
建設・不動産 転職豆知識
2024.12.19
昨今、頻繁に耳にするフレーズとしてDXが挙げられます。建設業や製造業でも同様で、DXの重要性が高まっている状況です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、進化したデジタル技術を浸透させることによって、人々の生活をより良いものへ変革するという意味があります。データやAI、IoTを活用して、業務を改善する意味で用いられることが多いです。
不動産業界でも、DXを用いて業務の改善を図った事例が多くみられます。本記事では、不動産業界におけるDXについて、システムや効果を解説します。
不動産DXとは
不動産DXとは、不動産業界においてDXに取り組むことを意味する言葉です。
ビッグデータやAIなどのデジタルテクノロジーを駆使して業務プロセスを改善したり、ビジネスモデルそのものを変革させたりすることを指します。
不動産業界も、IT導入により大きく変革している状況です。今では物件情報が当たり前のようにホームページ上で確認できるようになり、ARによってまるで入居したかのような体験も可能となりました。
変化が多い現代市場において、企業が生き残っていくためには新たなサービスやビジネスモデルを生み出せるかが重要です。
そこで、DXの考え方が重要となります。また、DXは単純にITツールの導入だけでなく、成果を上げることができるかが鍵となります。
不動産DXで叶うこと
不動産DXに取り組むことで、多くのメリットをもたらします。特に、不動産DXで叶うこととして、以下が挙げられます。
- ・不動産管理の効率化
- ・顧客対応のオンライン化
それぞれの効果について、解説します。
不動産管理の効率化
DX導入の主な目的として、デジタルツールを用いて業務を効率化したいという点が挙げられます。不動産業界においても、DXを導入することで大きく業務改善を図れるのです。
代表的な例として、以下の業務をシステム化可能です。
- ・物件情報管理
- ・賃貸管理
- ・不動産売買管理
- ・売上管理
- ・問い合わせ管理など
物件情報管理や賃貸管理、不動産売買監理は古くからシステム化可能なジャンルでした。DXの場合、問い合わせ管理などをAIで自動化できる点が魅力的です。
また、過去から蓄積されている莫大なデータを、一括管理できるメリットもあります。不動産業務で扱うデータをすべて紙ベースで管理する場合、確認だけでなく更新作業で多くの時間を要するものです。
そこで、DXを有効活用すれば業務効率化も実現し、省人化を図ると同時に社員の定着率アップも期待できます。
顧客対応のオンライン化
不動産業務のDX化によって、顧客対応をオンライン化できるメリットがあります。通常、賃貸営業を実施する際は、ホームページ上の物件情報を見たお客様からの問い合わせが合った時点から接客がスタートします。
そして、対面で物件の説明を行った後に内見してもらい、最終的に契約を結ぶかどうかを交渉するのです。上記のなかで、特に内見は実際に現地を確認するのが当たり前でした。
DXを導入することで、接客だけでなく物件の内見なども遠隔で可能になります。特に、VRを導入すれば家具などを設置したイメージも容易に作成できるので便利です。
遠方からの引っ越し等で物件を探している人にとっては、利便性が格段に向上します。
導入事例
不動産業界におけるDXの導入事例として、以下が挙げられます。
- ・VR内見
- ・WEB接客
- ・電子契約
各事例の詳細は、以下のとおりです。
VR内見
お客様にとって、最も大きなメリットとなるのがVR内見が可能になる点です。従来は、お客様と担当者が物件に出向いて内見するのが一般的でした。
お互いのスケジュールを合わせる必要があり、またお客様からすれば内見場所まで出向かなければなりません。近隣に住んでいる場合ならまだしも、遠方に住んでいる場合は移動する時間と費用がかかってしまいます。
そこで、VR導入によってAR内見に対応できるようになれば、現地に出向く必要がなくデバイス上で実施可能です。さらに、家具を設置するなどのシミュレーションも容易におこなえます。
AR内見の導入により、不動産会社側としてもスタッフの業務効率化や顧客満足度も上がって、空室率を大幅に減らした会社もあります。
WEB接客
AR内見と同様に、DXの導入によりWEB接客が可能です。最近では、オンライン会議システムが普及したことで、誰でも容易にオンラインで会話できるようになりました。
WEB接客により、なかなか来店できないお客様でも気軽に問い合わせできるため、営業する機会が増加します。また、不動産会社側としても店舗内で接客できるので移動する時間などを短縮可能です。
短縮した時間を活用して多くの顧客対応が可能になり、業績アップにつながった事例も多いです。
電子契約システム
不動産業界のDX導入により、電子契約システムを導入する場合が多いです。電子契約システムとは、従来は紙ベースの契約書を発行していたものを、電子データの契約書を作成して契約を結ぶ方法です。
電子データであっても、紙ベースの契約と効力は変わりません。電子データ化することで、契約のペーパーレス化が実現できます。
ペーパーレス化は、不動産業者の場合は保管するスペースを削減できるメリットがあります。また、お客様としても紙で保管するよりも電子データの方が重宝される傾向にあり、お互いに大きなメリットをもたらすのです。
DX化推進のメリット
不動産業界でDX化を推進することで、以下のメリットがあります。
- ・業務効率化による生産性の向上
- ・労働環境の改善
- ・顧客のニーズに対応
各メリットの詳細は、以下のとおりです。
業務効率化による生産性の向上
DXの導入によって、大幅に業務効率化を図ることができ、生産性を向上させることが可能です。特に、ペーパーレス化や遠隔での接客、内見などを可能にできる点が魅力的です。
ペーパーレス化については、紙を管理する場所を削減できると同時に保管や検索にかける時間を短縮できます。紙を保管するためには、印刷してファイリングする作業が必要ですが、デジタルデータ化すればその手間を省けます。
また、データを確認したい場合も紙の場合はファイルを開いて探さなければならない一方、デジタルデータであれば容易に検索可能です。接客や内見についても、対面で対応しなければならない場合、移動する時間などがかかります。
その点で、DX化すればほぼ店舗内で接客対応できるので移動時間の短縮化を図れるのです。
労働環境の改善
不動産業界でDXを導入することで、労働環境の改善を図れるメリットもあります。DXにより業務効率化を図ることで、従来時間をかけていた業務を大幅に時間短縮できる場合が多いです。
また、契約などの事務業務関連をシステム化することでも、大幅な業務効率化を図れるのです。これにより、今まで時間に追われていて残業対応しなければならない状態であっても、DXの導入により残業対応が減って労働環境を改善できる場合が多いです。
ほかにも、AIによる自動接客なども導入すれば、夜に問い合わせがあっても自動対応できる場合があり、問い合わせ対応による労働時間が延びてしまうことを防止できるメリットもあります。
顧客のニーズに対応
不動産を探すことは、お客様にとっても時間・労力がかかるものです。自分が探している物件がなかなか見つからないと、不満に思うものです。
最悪の場合は、離脱して他の不動産業者にお客様が流出する可能性もあります。そこで、DXによってお客様としても理想の物件をみつけやすくなると、自然とお客様も増えて成果に結びつきやすくなります。
以上より、DXを導入する際には自社のメリットだけでなく、お客様に対するメリットも意識して導入することが重要です。
まとめ
不動産業界においても、DX化することで業務を効率化できるシーンが多いです。不動産会社で働く側としても、残業時間削減など、労働環境の改善にも繋がるのでより働きやすい環境で仕事できるメリットがあります。
一方で、不動産業界におけるDX推進は2割とも言われているので、まだまだ導入事例は決して多くありません。もし、DX推進している企業もしくは不動産業界のDX化を推進したい方は転職エージェントに詳しく話を聞いてみるのも良いでしょう。
転職エージェントは、各業界の内情に精通しており、トレンド情報も常に入手している場合が多いです。よって、不動産業界でのDXの導入状況も理解して、的確なアドバイスを得られます。
不動産業界のDX化を推進したい方は、まずは転職エージェントに相談することをおすすめします。